カリキュラム及び概要

  • 仮想通貨交換業者に関する内閣府令
     アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏(協力会員)
  • 仮想通貨取引所登録の勘どころ
     森・濱田松本法律事務所 増島 雅和氏(当会理事)
  • 中国における仮想通貨情勢について
     マネックスグループ株式会社 中川 陽氏
  • パネルディスカッション・質疑応答
     中川 陽氏 (マネックスグループ株式会社)
     安齋 孝明氏(正会員:BTC ボックス株式会社 )
     河合 健氏 (協力会員:アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
     齋藤 洸氏 (協力会員:PwC あらた有限責任監査法人)
     増島 雅和氏(当会理事:森・濱田松本法律事務所)
     モデレータ:畠山 久志氏(当会理事:中部学院大学 経営学科)



 



 

仮想通貨交換業者に関する内閣府令

講師:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏(協力会員)

本日は、昨年末に仮想通貨交換業者等に関する内閣府令等や改正資金決済法の政省令等のドラフト段階のものが発表されているので、解説をしたいと思います。

まず、全体的な立て付けですが、改正資金決済法が昨年 6 月に交付されて 1 年以内に施行されることになり、昨年の 12 月 28 日に色々なものが出ております。仮想通貨交換業者に関する内閣府令が中心的な業者規制になり、この他に犯罪収益移転防止法の施行令改正案と施行規則の改正案が出ています。また、資金決済企業者団体いわゆる自主規制団体に関する政省令案も出ております。
今後の日程ですが、パブリックコメント期間が先週末(1 月 27 日)に終了しまして、これから一部の手直しが行われ、大体 2 月の終わりか 3 月の頭ぐらいに政省令案等が実際の法令として交付されることが予想されています。

施行時期は遅くとも 4 月中には施行に至るということですので、これから登録をされる方は、急ピッチで準備を進められているところかと思います。
仮想通貨交換業者に関する内閣府令案と事務ガイドライン案が出ておりまして、事務ガイドラインを簡単に説明しておきますと、金融庁が検査をする時に検査官等がどのような点に着目して検討すべきかを示すものが事務ガイドラインの性格です。

法令とは異なり、それ自体が業者に対しての法的拘束力を持つものではないのですが、検査項目であるために実質的に見て遵守していないと判断されると業務改善命令等の対象になり得るということです。記載していることの1つ1つを文字通り遵守していくところまでは求められていないのですが、実質的に見て遵守していると言える状況を作ることが重要になると思います・・・

・・・

また、どのような仮想通貨を取り扱うのかという点についても自主規制団体で検討して頂きたいというご意向があるので、今回の法律では業界の発展のために重い規制を課したくないという想いがあると思いますが、なるべく業者で作る自主規制団体でルール付けをしてほしいというのが当局の考え方と聞いています。

今後、そのようなところのルール付けをしていくことになると思いますので、この法令に従うこととは別に自主規制団体のルールに従っていくためには、適切なルール作りが行われているということが重要になると考えております。

(全体は会員のみ公開)

 



 

仮想通貨取引所登録の勘どころ

講師:森・濱田松本法律事務所 増島 雅和氏(当会理事)

仮想通貨取引所登録の勘どころについて、少しお話をさせていただきたいと思います。

我々は登録チームを持っていまして、ここで実際に案件が動いているものが複数存在しておりましてプロセスを進めています。
役所も事前準備行為で相談に乗るという建前になっていますが、まだ東京事務所は人員の準備ができていない状況でありますので、我々がビジネスの内容をお伺いしながら登録が必要であるのか、貸金業の登録が必要であるのか等々を役所と詰めながら、適法な形にした上で各種内部規則等の必要な書類を作り、役所が受け入れ可能な状態に備えて準備を進めているという状況でございます。

独立業者様の動きが先行しておりますが、他方において非金融の事業会社様の中で、新たに仮想通貨を自社のビジネスに応用させていく方法はないものかと検討をされている事業者様が複数存在をしております。

それは取引所のシステムをホワイトレベルからお借りする等の形で、上場企業の中で一定の銘柄という位置づけになりたいと希望されて仮想通貨の領域に入られる事業者様も含め、複数の事業者さんが色々と検討をされています。

そうすると新しい仮想通貨を出すということになるので、これが仮想通貨に該当するのか、どのように設計をしていけばいいのかというのが論点になるということでございますので、その辺りを業者様ごとに行っています。

内容が具体的になってきているのですが、具体的になればなるほど一般論で語れないのですが、逆にここで話せることも減ってきているということになっており、ただ、何が論点になるのかという部分と、それを登録という実務に落としていく時に何を考えていけばいいのかという観点から、少しお話をさせていただきたいと思います・・・

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施行を迎えると急にこれが来ることになりますと、法律をまじめに守るには今から取引確認を行う形にすると、施行日の段階で取引確認に相当することを行っていれば犯収法の本人確認は再度やらなくていいことになっているので、そうすると今から犯収法並びのことをしていくということは、施行後に滞らずに進めるために必要なように条文を素直に読めます。

全体のスケジュールを最速で入れてみたのですが、おおむね大体登録に要する時間はこんな感じになるだろうと我々は見ております。
御社はどのようなビジネスかを伺いながら、社内体制を整備して必要な内部規則を作ることを行い、概ねできたところで当局に事前相談に行きます。
彼らとビジネスの話をしながら細かいところを決めて行き、一定のタイミングで出していいと言われて出します。
その後、標準処理期間で言えば 2 か月ぐらいでもらえますので、その辺りがうまく行くとこんなスケジュールなのではないかと思います・・・

(全体は会員のみ公開)

 



 

中国における仮想通貨情勢について」

講師:マネックスグループ株式会社 中川 陽氏

チャイナショック、私が勝手につけたのですが、2 か月の間に激しい値動きや出来高推移がありまして、そこから垣間見えたビットコインの取引商品としての課題や可能性について資料を作りました。

ここ直近 2 か月ぐらいのビットコインの中国人民元建てですが、Bitcoin Wisdomというサイトで中国の BTC チャイナのチャートでは、一気に 8,888 という中国の縁起のいい値をつけて急落します。

その後、半値ほど値下がりして戻ってきて落ち着いているのですが、注目すべきは出来高が一番ピークのころには 500 万枚の取引がされていた物が、今や数千枚になってしまっています。その中での相場の静かさは何となく整合性が取れないような見方もできるのではないかと。
実際に何が起きたかと言うのを時系列で追っていきますと、1 月の 4 日とか 5 日に中国人民銀行が中国の主要のビットコイン取引所に対してヒアリングを行ったという話があり、そこから一気に急落をして 1 月 12 日に大手取引所がレバレッジ取引を制限します。その後、1 月 24 日に 0.2%の手数料をかけるということで一気に細まってしまい、不自然なように値動きがなくなってしまっています。

中国ドル対人民元相場の動きとビットコインのドル価の価格推移を見ますと、ほぼ一致しているということで言われていたのですが、あくまでも投機的な需要でビットコインを買い上げ、人民元の先安観測が広がる中でビットコインを買ってヘッジするなり、投機的な投資を取るという動きがあったと思います。
この裏にあるのが、人民元の中国人民銀行の外貨準備高であります。
何で関係があるかと言いますと、中国では資本流出を非常に気にしている状況になっておりますので、その流れで人民元高や人民元安が進み外貨準備が減ることに伴いビットコインの値段が上がった中でビットコインの規制をします・・・

・・・

しかし、実際の流動性の実態が分からないものですから、このような数字を書く意味があるのか分からない中で、可能性としてはそのようなこともあるのではないかと思います。

ビットコインも投機のためのツールだけで発展すると足元が弱いので、BTC 決済ができる店舗が 2 万店舗になるという話や、実質取引も盛り上がって頂けると、それこそ日本が世界のビットコインの中心になれる日も近いと感じております。
今、ビットコインのマーケットは中国に良くも悪くも影響を受けるのですが、これを当協会中心にビジネスチャンスとしてとらえて、日本のビットコイン市場が世界でナンバーワンになるための課題が見えてきたと思った次第です・・・

(全体は会員のみ公開)

パネルディスカッション・質疑応答

中川 陽氏 (マネックスグループ株式会社)
安齋 孝明氏(正会員:BTC ボックス株式会社)
河合 健氏 (協力会員:アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
齋藤 洸氏 (協力会員:PwC あらた有限責任監査法人)
増島 雅和氏(当会理事:森・濱田松本法律事務所)
モデレータ:畠山 久志氏(当会理事:中部学院大学 経営学科)

(中部学院大学 畠山氏)
施行日が間近に迫っています。
その中で固まっているものもあれば、固まってないものもあります。
会計基準や分別管理の話についてはまだ見えてこない。そういう中で対応せざるを得ないのかなと思う。
その一方で、派生する大きな動きとしては商品構造を多様化するというようなことで、新しいものも出てきたというようなことがあるような気がします。それから、1 月になりまして中国発の大きなショックがある。私も近々中国に行くので聞いてみたいとは思うのですが、そのような動きがあるというところです。お話を頂かなかった齋藤さん、宜しくお願い致します。

(PwC あらた有限責任監査法人 齋藤氏)
私は会計士の立場ということで、守備範囲が財務諸表監査と分別管理監査になると思うのですが、この点に関して弊社内と法人を跨いで色々な議論をしているところであります。
まだ結論めいたことが出ていない中で私見のところが多いかと思いますが、その辺りでシェアできるところがあればと思い参加させていただきました。
公認会計士協会の方では、仮想通貨専門部会というところがありまして、こちらの方で分別管理監査と財務諸表監査の二つについて議論をしているところであります。
直近では分別管理の方が先を急いで体制整備をしなければいけないというところで、ちょうどたたき台で業者さんとの話し合いにようやく行けました。少し後手に回っているところがあるのですが、そちらでフィードバックを頂いたものをまた揉んでいくような形が今のステータスになると思います・・・

(BTC ボックス株式会社 安齋氏)
弊社は 2014 年からビットコインと日本円の取引を中心として、仮想通貨の取引所をしております。
弊社は、ビットコイン取引所ということでスタートしておりまして、金融的なバックボーンがないので金融庁対応というところに関してはヘビーだなという印象があります。
一番難しいのは、曖昧な部分にどのように対応していくか、どの辺りまでを厳格にすればいいのか、アウトなところまでレベルを落としてはだめだとは思うのですが、やり過ぎてしまうと日々の仕事が大変になるので、それのバランスを取るのが難しいので、ノウハウのある金融業者さんとお話をさせて頂きながら進めたいと思っています・・・

(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合氏)
先ほど話した通りですが、少し話が出た日本の業者が海外の顧客を勧誘できるかという点について補足しますと、そこは特に制限がないので基本的にできます。
ただ、守らなければいけないことは日本のルールに従ってくださいという話になり、例えば犯収法対応の KYC をどうするのかを聞かれたこともありまして、基本的には同じでやってくださいという回答になります。転送不要郵便で送れるのかと言われると、日本証券業協会さんの Q&A には“できます”と書かれていますので、そのような前提で基本的には犯収法対応をして頂く必要があると認識しています・・・

(森・濱田松本法律事務所 増島氏)
海外の銀行さんでは、このような自社仮想通貨のような物を出して実験を繰り返している業者さんもいらっしゃる中で、まずは試してみることは必要だというスタンスではあるはずです。
ただ試すだけであれば業務範囲規制の問題が出てこないと思いますので、自社内では色々なことができるのだろうとは思うのですが、その後の出口がどこにあるのかを見据える必要がありますので、これは一体何なのか、登録ができるのか、その辺りはある程度見定めながらやらないといけないというポジションではないかと思います・・・

(中部学院大学 畠山氏)
中国で、元の海外取引というようなことがあり、そのような取引所に対して検査が入ったという話なのですが、一時期中国は政府を挙げて仮想通貨をやりたいという話がありました。

(マネックスグループ株式会社 中川氏)
ここのところ、仮想通貨と言うのか、ブロックチェーン技術と言うのかは、少し曖昧に言葉が使われているケースも多いように感じるのですが、中国のビットコインの実態を把握したいというところが本音だと思っております。
中国の取引所の方とお話をしたところ、送金をするのにビットコインを使う人はいないと。10 万や 20 万ならいいのですが、何億と送金をしようと思ったって、相手側でどのように受けるのかとかが無い中で、そのようなところまで見ているというところを当局が示したと思っています・・・

(全体は会員のみ公開)

平成29年01月 日本仮想通貨事業者協会 勉強会の様子