カリキュラム及び概要

  • パブリックコメントの結果等(仮想通貨関係)のポイントについて
     アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏
  • 仮想通貨関連の会計・監査の動向について
     PwCあらた有限責任監査法人 鈴木 智佳子氏
  • 中国の状況
     中部学院大学 畠山 久志氏
  • Bitcoin Unlimited問題
     ブロックチェーン大学校株式会社 ジョナサン・アンダーウッド氏

 



 

パブリックコメントの結果等(仮想通貨関係)のポイントについて

講師:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏

4月1日から法が施行されるわけですが、パブリックコメント(以下、パブコメ))のポイントとなるところを中心にお話させて頂きたいと思います。
まず、3月24日に銀行法等の改正にかかる内閣府令等ということで、新しい法案の交付がなされました。施行は4月1日で、昨年の通常国会を通った改正資金決済法と合わせて関連の政省令が施行されることになります。

今後どのようになるかと言いますと、4月1日時点で既に業を行われている方については、登録は未了ですが業は継続が可能であり、4月1日から6ヶ月以内に登録の申請をすることになります。

登録申請をしてから登録が完了するまで、もしくは登録ができないという事態になる場合までには、10月以降も業が続けられ、最終的に結果が出るまでは業が続けられるということになります。

ただし、4月1日以降は改正資金決済法、犯収法、それらに関する政省令等に書かれている事項は全て遵守することになりますので、実質的に4月1日から業登録が未了でも、仮想通貨交換業に関する規制が入るということになります。

4月1日時点で業を始めていない方については、登録が完了するまでは業を行うことができません。

業の登録期間ですが、準備期間を経て何回か関東財務局と相談をして最終的にアプリケーションを出してくださいと言われるまでに数ヶ月、申請のときから標準の処理期間が2ヶ月ということですので、最終的に登録を受け入れることができる業者が出てくるのは、もう少し先の話になるだろうと思っております。

12月28日に仮想通貨交換業者に関する内閣府令、収法の施行令や施行規則、仮想通貨交換業者に関する事務ガイドライン等が出たわけですが、12月28日案からは実質的なところの大きな変更はないという認識で良いかと思います。

幾つか変更点を上げていますが、残りのマイナーなところで交換業者府令のほうについては、利用者区分管理信託を若干要件緩和しているというところと、外国仮想通貨交換事業者の報告提出期限というのは3ヶ月では無理だろうということで事業年度終了後4ヶ月以内に直す・・・

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監督上の問題ですが、まず内部管理部門や監査部門を外部に全部丸投げできるかという話がありますが、一般には内部の者も含めて構成をする必要があるということなので、完全に丸投げは基本的には考えていないというのが金融庁のお考えだということです。

外部の弁護士や会計士に一部手伝って頂くことは問題がないということですが、完全に丸投げというのは基本的には考えていないのが金融庁の見解です・・・

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(質問)
1点だけ、仮想通貨交換を業とすることについて、仮想通貨専門に扱う自己売買をした場合には仮想通貨を業としていると判断されるのでしょうか。

(河合氏)
いわゆる自己のポートフォリオを改善するために行う、要するに他人にビジネスを提供するのではなく、完全に自分の儲けやポジションを取って行うということには該当しないということになります。

(全体は会員のみ公開)

 



 

仮想通貨関連の会計・監査の動向について

講師:PwCあらた有限責任監査法人 鈴木 智佳子氏

会計と分別に関する監査に関しまして、アップデートをさせて頂きたいと思っております。目次ですが、規制等に関する全体のスケジュール感と会計に関するアップデート、分別管理自体に関するアップデート、分別管理に関して行う監査に関してのアップデートをさせて頂きます。

まず、規制等に関するスケジュールなのですが、3月24日に内閣府令と事務ガイドラインが交付されまして、施行日が4月1日で決まりました。
会計に関してですが、去年の11月14日に公認会計士協会の方からFASFの基準諮問会議の方に、仮想通貨に関しての会計基準について検討してほしいというテーマ提言をしております。

そちらのテーマ提言を受けて、3月14日に開かれた基準諮問会議の方でASBJの方に提言をすることを決定しました。
本日の午後に開かれているASBJの本会議の方で、仮想通貨の会計に関しての検討を開始しますというのが決定している予定です。
ただ、こちらは検討開始することだけを予定されておりまして、どのようなスケジュールで検討を行うのか等の詳細については、本日の会議では決まらないと聞いております。

監査実務指針に関しては、仮想通貨交換業者は分別管理監査と財務諸表監査が改正資金決済法で求められていますが、そちらの監査をどのように実施するのかといった実務指針を公認会計士協会で作っております。

そちらのスケジュールになりますが、検討するための専門部会を去年の4月に設置しておりまして、今年の3月27日に分別管理監査の実務指針の公開草案が発表されております。
こちらの公開草案に関しては、4月28日までコメントを募集しております。
コメントを受けた後に、そちらを検討して必要なところを変更した後、予定では5月ぐらいに分別管理に関しての実務指針が公表されると考えられています。

財務諸表監査ですが、先ほどの会計のところで申し上げた通り、会計の検討がどのようなスケジュールで行われるのかが全く決まっておりませんので、財務諸表を作るための会計の整理がされないと財務諸表監査をどのように行うのかが最終的には決定ができないので、こちらに関しては何時ごろに出るかは予定ができていないという状況になっております・・・

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金融商品取引業者に関しましては、合意された手続は検証業務だけになるのですが、今までありました合意された手続業務を参考にしています。
分別管理状況を確かめるための手続として必要な項目に対する手続について、通常は可能であればここまではチェックして頂きたいという点を例示列挙で上げておりますので、大幅に省略または削除することは想定していません。

合意された手続ですので、契約で合意すれば手続は変えられるのですが、極力、こちらに上げている付録についている手続を折り込んで頂きたいという趣旨になっています。

合意された手続ですので、もしできていない場合にはできていなかったという結果を書くだけですので、できればどんどん改善していくためにも手続の一覧を使用して頂きたいというのが私どもの意図です。

合意された手続とはどのようなものを実施するのかというのは、主なのが責任者や担当者への質問と関連書類の閲覧となっています。

また、こちらの手続は一時点における手続の実施になりますので、例えば事業年度を通じた内部統制が期間を通じてありましたか等、そのような事は手続としては実施いたしません・・・

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(質問)
このパブコメの対象というのは金融庁も入っているのか、要するに金融庁と擦り合わせができているのでしょうか。
それから、結果の利用なのですが、自主規制団体みたいなところは利用できるのでしょうか。

(鈴木氏)
まず一つ目の質問ですが、金融庁とはお話をしながら作っていますが、もしコメントがあれば頂きます。
もう一つ、業界団体という話ですが、金融商品取引業者の場合ですと、そもそもの合意された手続きの契約の対象が、規制官庁と業界団体とその業者になるので、すでにJSDAが規約の中に入っているのです。
利用制限がかからずに利用できる人になっているのですが、現在、協会が決まっていないので、決まったらその規約に含めれば金融商品取引業者と同じように業界団体も協会も見られることになると思います。

(全体は会員のみ公開)

 



 

中国の状況

講師:中部学院大学 畠山 久志氏

3月の上旬に10日間ほど中国に行って参りました。
前回の勉強会で中国の動向はどうかという宿題もありましたので、それも兼ねて聞いてきた訳ですが、中国の方ではご承知のように3点あります。
一つは2013年に通達が出ておりますが、金融機関はダメだけれども個人はビットコインをしても良いというのが2013年に出ております。

今年の1月11日に当局がビットコインの取引所に調査に入っております。その際に言い渡した事は、違法融資の禁止、マネロンの禁止、為替管理法違反の禁止、税や広告規制違反の禁止という4点を言い渡しております。

去年の12月5日ですが、ネットゲームの仮想通貨とコインについては通貨と交換してはいけないという通達を出しております・・・

(全体は会員のみ公開)

 



 

Bitcoin Unlimited問題

講師:ブロックチェーン大学校株式会社 ジョナサン・アンダーウッド氏

本日の話の概要は、まずはブロックチェーンの仕組みのおさらいをします。

ブロックチェーンは、ブロックという言葉があるのでブロックとは何かというと、取引のデータが塊になった物がブロックと呼ばれています。
そのブロックが何故チェーンになっているのかと言うと、ブロックがハッシュ関数という暗号学的な関数を掛けられ、採掘と呼ばれている動作がハッシュ関数を掛けることなのですが、マイナーと呼ばれている採掘者が採掘を行うことで報酬をもらう。

それで、彼らがゲームセオリー的なインセンティブにより、彼らが採掘を行ってブロックの順番の正確性が保証されるのがブロックチェーンの仕組みです。

たくさんのハッシュを掛けられた方のチェーンが正しいというのが、今回の話題においては大事なポイントです。
こちらの画像ですが、左の緑のブロックと黒いブロックが一番長いチェーンです。よくブロックチェーンというのが、最新のブロックだと非常に不安定なものになるのです。
どのように不安定かと言うと、大体1日に1回ぐらいのペースで次のブロックが、同時に別のブロックが見つかってしまうのです。
いわゆる分岐が起きてしまうのです。
ただし、それはルールの違いにおける分岐ではなく、たまたま次のブロックを見つけた人が同時に出てしまったというだけの分岐です。

それで何が起きるかと言いますと、例えば世界の半分がブロックAを最初のブロックだと認めています。
世界の残りの半分のノードが、分岐のところのブロックを正常のブロックだと見ていた場合、確率論的に言うと、同じようにそれぞれのブロックを持っている世界の半分に分かれたノードの中で、それぞれの次のブロックが同時にまた見つかるというのが確率論的に非常に少ないです。

このようなタイミング系のブロックが二つ以上の分岐が起きるのは、本当に2週間に1回ぐらいのペースで、3つのブロックだとすると過去に3回ぐらいしか起きておらず、4ブロック、5ブロック、6ブロックは大きなバグが過去にあったとき以外には起きたことがないという感じで、確率論でどのような分岐が限りなく不可能に近くなるというのがブロックチェーンの仕組みです・・・

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では、ハードフォークの危機という題目なのですが、我々取引所にとって一番の危機というのがリプレイアタックです。
これは、イーサリアムという仮想通貨においてハードフォークが起きたことがあるのですが、その時に色々な取引所がこの問題に直面していました。

考え方としては、ハードフォーク前の総資産が100BTCだと仮定した場合、Aさんの残高として預かっている金額が10BTCだとします。
ハードフォークが起きた後に分岐して、ずっと解決せずに続いたと仮定した場合に、それぞれのフォークで売買したいというお客様が出てくるのです。
イーサリアムの場合は、イーサリアムクラシックとイーサリアムを別々で扱っている取引所が現れたので、片方を売って片方を買うという人が必ず出てくるのです。

ハードフォークが起きた直後の総資産100BTCはそのままですが、分岐前のビットコインは分岐が起きた後に両方のチェーンで有効なのですので、資産が100BTCから100BTCと100 BTU(Bitcoin Unlimited)の両方を持つことになるのです。

ただし、ビットコインの送金がUTXOというコインだと想定した場合に、そのBTCとBTUを送信すると両方のチェーンでコンファームされるのですが、仮に誰かがBTCのチェーンでしか有効でないルールで送金することができたら、それを分離することができないのです・・・

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ハードフォークは前方互換がない新しいルールです。
ビットコインをスケーリングするための考え方は大きく分けて二つあり、あるリソースの効率化からの容量を増やすか、とりあえず容量を増やすという二択になります。
過去に何回もハードフォークを起こそうとするプロジェクトはありましたが、今回のUnlimitedは今までにない採掘者からの支持を得ました。

今までに無いほど危険な変更もたくさん含まれているので、Coreのスケーラビリティーロードマップは効率化してから容量の増加ができればソフトフォークで行いたいというものです。

ハードフォークが発生した場合はリプレイアタックに注意と書いてあります・・・

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(質問)
最後の対策のところなのですが、ハードフォークが起きたら一旦は入出金を停止にして、管理下のUTXOを全て分離できるまでということですが、この間に取引所としてできることは何かあるのですか。

(ジョナサン・アンダーウッド氏)
少し検討の段階ですが、現在考えている対策というのが二つあります。
一つは採掘者プールにアピールをして、分岐が起きた後のビットコインを1サトシでも最小単位でも良いので、そのコインを取引に含めることだけで分離することができるのです。
ただし、それが2、3営業日を待つ必要があるかもしれないので、あまり良くない対策です。

もう一つ考えているのが、現状のBitcoin Unlimitedの状況だけで言いますと、Bitcoin UnlimitedはCoreにあってBitcoin Unlimitedにない機能が一つございまして、それはリプレイスバイフィー(RBF)という機能があるのです。

RBFの説明は長くなるので割愛しますが、RBFを施した取引をまず1個作ります。
その取引とまた別に、低い手数料の取引を行います。

それとは別にRBF使った同じ取引を、もう少し採掘手数料を高くした2個目の取引も作ります。

そうすると1個目の取引を配信すると、両方のブロックチェーンでは有効とされますが、2個目の取引はRBFの機能を知らないUnlimitedの方で不正とされて受理されないですので、もう一つ方がBitcoin Coreの方で受理されるのです。

手数料を変えたことで取引IDが別の発信地になるのです。

それが、取引IDが変わる=参照するUTXOのコインが変わるということで、分離ができてしまうのです。
ただし、それは100%の確率で必ずできるというものではないので、例えばコールドウォレットとしている分、送金するのにすごく手間がかかるのです。
多分ハードフォークが発生したら、直ちに弊社でコールドウォレットを管理している役員たちを呼びよせて、分離ができるまで送金を何回も試します。

それで分離ができたら全部コールドに移して待つというのが、多分一番いい対策なのではないかと思っているのですが、もしかしたら、Unlimitedの分離がし難いようにRBFも対応するとなると、ちょっとまた検討に入らないといけない状況になってしまうのです・・・

(全体は会員のみ公開)

 

2017年03月 日本仮想通貨事業者協会 勉強会の様子