カリキュラム及び概要

  • 仮想通貨交換業登録の勘所
     元金融庁監督局 福井 崇人
  • 仮想通貨XRPの概要と特徴について
     Ripple社 Stefan Thomas氏

 



 

仮想通貨交換業登録の勘所

講師:元金融庁監督局 福井 崇人氏

去年の5月に改正資金決済法が成立し、その後、監督のガイドライン策定に寄与させて頂きました。その際には、業者の皆様から仮想通貨ビジネスに関して勉強させて頂きながら策定をしました。
今日は「仮想通貨交換業登録の勘所」という立派なテーマを頂いたのですが、策定した経験を加え、皆様のご参考になりそうなテーマをピックアップしてご説明させて頂きたいと思います。

皆様もご承知のところだと思いますが、「仮想通貨に係る法制度整備の背景」について簡単にまとめたものになります。
改正資金決済法での大きな目的は、マネーロンダリング(以降、マネロン)への対策と利用者保護でございます。
マネロン対策では、国際的な要請が強く、仮想通貨交換業者に対する本人確認義務を求めるべきであるという勧告等がされてきました。
また、我が国における利用者保護としましては、株式会社MTGOXの破産手続が開始され、利用者が非常に害されたという経緯がありますので、利用者保護を何とかしなくてはならないというところは大きな問題となっております。
このような目的が仮想通貨交換業にかかる資金決済法の解釈にも影響を及ぼしてくることで触れさせて頂きました。

次に「仮想通貨に係る法制度整備の概要」をまとめさせて頂いております。
一つ目のマネロン・テロ資金供与対策では、主に犯罪収益移転防止法を含めて規制化され、本人確認や疑わしい取引に係る当局への届出が義務づけられております。
二つ目の利用者の保護という観点からは、資金決済法に基づいて様々なルールが定められております。
利用者資産の分別管理や当局による報告徴求が定められております。
犯収法ですが、本人確認義務が求められているのは、口座開設時、200万円超の仮想通貨の交換等、10万円超の仮想通貨の移転ですが、基本的に資金決済法では仮想通貨の交換等ないし仮想通貨の範囲が規制されているので、そのようなものは資金決済法では対象外になっています。
マネロン対策では、基本的には法定通貨の交換が対象になります。
お金が出入りする出入口を規制するので、移転に関しては規制をしていきます。個人的には若干趣旨からはみ出ている部分もあるという気がしていたのですが、犯罪収益移転防止法上は為替取引と同じような10万円という水準で本人確認義務が課せられているということになります。
ただ、10万円超の仮想通貨の移転という場合、売り手の方で受け手に対しての本人確認が求められているということになります。
通常、仮想通貨交換業者様では取引開始時にアカウントを作ることが多いと思いますので、その際に本人確認が要求されるわけですが、ATMや店頭で取引するという場合もありますので、そのような場合は200万円超や10万円超というところを念頭に置いて事業される必要があると思います・・・

・・・
「仮想通貨交換業の定義」は業の定義です。
①「仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換」は、他の仮想通貨との交換や仮想通貨の売買、法定通貨との交換です。
②「①に掲げる行為の媒介、取次又は代理」は、①を掲げる場合の売買、交換の媒介、取次又は代理によるものです。
③「上記①・②の行為に関して、利用者の金銭又は仮想通貨の管理をすること」は、①と②の行為に関して利用者の金銭又は仮想通貨の管理をすることになっております。
この①から③のうち、①と②のみが法令上の仮想通貨の交換等と別途定義されていまして、これは資金決済法で仮想通貨と法定通貨の誤認防止とための説明をしてくださいと言う時に、仮想通貨の交換等をするときはこのような説明をしてくださいと書いてあるわけですが、資金決済法での重要な概念と言うよりは、犯収法の方で仮想通貨の交換等を行う場合に本人確認をすると。
もちろん、10万や200万という数字になるのですが、犯収法の方で結構重要な概念として使われているということになります。
媒介や代理、取次の意義や「業として」とは何か、あるいは貸金業や資金移動業の関係はどうか、仮想通貨を用いたデリバティブ取引の取扱い、あるいは新規発行、ICOの取扱いはどうですかというところで、この後の議論をさせて頂くことの前倒しとさせて頂いています。

「媒介、代理、取次の概念」ですが、非常に広い概念で補足されており、仮想通貨交換業者の方が仮想通貨交換業者ではない第三者に業務を委託しようという場合には、媒介や代理、取次に該当するのではないかということに気を付けて頂く必要があるということになります・・・

(全体は会員のみ公開)

 



 

仮想通貨XRPの概要と特徴について

講師:Ripple社 Stefan Thomas氏

(SBI Ripple Asia 沖田氏)
本日は、このような形でリップルの仮想通貨であるXRPについてご紹介させて頂く機会を大変嬉しく思っております。
SBI Ripple Asiaは、その名前の通りでございまして、SBIグループと米国リップル教育センターということで、昨年の5月に会社を立ち上げさせて頂いておりまして、日本及びアジア全域をカバーするところのビジネスを対象とさせて頂いております。
本日は、リップルのグローバルの技術責任者でございますステファン・トーマスが来日しておりまして、皆様に直接XRPがどのようなものなのかを是非ご紹介させて頂きたいと考えています。

リップルですが、プロダクターは大きく二つございます。
一つはデジタルアセット、仮想通貨であるXRPです。
もう一つは、リップルソリューションと呼ばれる銀行間決済を行わせて頂くものでございます。
こちらは日本でも50行を超える銀行様にご参加頂いております内外為替一元化コンソーシアムの基盤技術としても使われている物でございます。
このリップルソリューションとXRPですが、非常に強い親和性を持っておりまして、XRPを銀行間決済のブリッジカレンシーとして使う事ができるように設計されております。
そういう意味では、他の仮想通貨と違いまして、そのような実需でも存在するというところでございます。
ブリッジカレンシーとして使うには、流動性が極めて重要になってまいります。
本日は取引上の方々、それから今後取引所に登録をされるという方々が多く参加されていると思うのですが、まさにそのブリッジカレンシーとしてしっかりと起動するというためにも流動性を増すという意味では、リップル自身もそのような取引所の皆様に対してしっかりとご支援をしたいと考えております。

(Ripple ステファン・トーマス氏)
今日はXRPのご紹介をさせて頂きたいと思います。
このXRPは非常にメジャーなデジタルアセットでありながらも、なかなか正確な情報が出回っていない状態のものです。
今日の内容ですが、まずはリップルという会社、そしてビジョン、ミッションについてお話したいと思います。
そして、銀行さんとパートナーシップを組んでビジョンを現実にしようとしている様々な内容についてお話したいと思います。
次に、技術的な側面をお話したいと思います。
XRPが技術的に見て何がユニークなのか、そして私の目から見ますと世界中でベストなデジタルアセットである所以は何かということをお話します。
そして、流動性の課題についてお話したいと思います。
今、全世界におきまして決済、支払いにおいて問題になっているのが、この支払いフローにおける流動性の確保です。
ここでXRPがどのようにお手伝いできるかをお話したいと思います。
最後に、将来についてお話をいたしますので、今のこの時点でどのような機会があるかということをお話したいと思います・・・

・・・

リップルは、私が本当にすごいと思えるビジョンを持っていました。
つまり、その情報と同じようにお金を移動させることができる、すぐに移動させることができるということです。
例えば皆様の携帯の番号やメールアドレスを知っていたら、すぐに電話もかけられるしメールも送ることができます。
しかし、皆さんの銀行口座にお金を送金しようとしたら簡単にはいきません。
アマゾン、グーグル、ウーバーという会社は全世界にお客様、そしてサプライヤーがいますが、支払いをするのも、またその支払いを受けるのもとても大変な状況です。
その状況は悪化していまして、最近のお客様はインターネットができてから、そしてインターネットで成長した世代ですので、常にリアルタイムと透明性を求めています。
これが実現しないとすぐに別のサービスに乗り換えてしまいます。
今の支払いの形態ですと、人から人へ、もしくは人から法人へという形の支払いとなっています。
しかし、インターネットや電話などを見ても、人が介入しないで様々なコミュニケーションがされています。
こで浮かぶ疑問ですが、将来的にはこのような機器、デバイスは通信しているような形と同じように互いに決済、支払いをし合うのだろうかということです。
しかし、こうなりますと支払いの件数も膨大に増えていくわけで、金融システムに対しては更なるプレッシャーがかかります。・・・

・・・

ビットコインを決済に使うことによって、先ほどの遅延を数日から数時間に短縮していますが、このような仮想通貨というのはボラティリティが非常に高い状態ですので、そのビットコインの確認を得るまではリスクにさらされています。
しかし、XRPの方がもっと短時間で処理できるということで、そちらに関心を示しています。
多くの取引所、またこのブロックチェーンのMSBの会社と共にXRPを決済に使うべく、今、色々と行っております。
また、信頼性やセキュリティーが向上することによって、このような会社や取引所はそのメリットを得ることができます。

もう一つできることですが、先ほどお話したシニョレッジの4億ドルを電気代ではなく、もっと有効なことに使えるとしたらどうでしょうか。
私どもはこのユーザーに対して、より高い流動性とタイトなスプレッドを提供できるマーケットメーカーにインセンティブを提供しようとしています。
そして新たにこの取引に参加してきた人たちに対し、そのXRPを対価としてプレゼントしようと思っています。
このプレゼンテーションによって、私どもリップルがXRPで何をしているかということについて、少しでもご理解が深まったことを期待しております。
以上でプレゼンテーションを終了いたします。

(全体は会員のみ公開)

 



 

質疑応答

(質問者1)
ステファンさんに質問をしたいのですが、お話をされていたバリデーターの件で、ビットコインはマイニングプールで最も効果的にマイニングできるところを探すという方法になると思うのですが、リップルはユーザーによってチェンジするというふうにお話をされていたと思います。
具体的にはユーザーが自主的に選ぶことができるシステムなのか、それとも何か提案されて自動的に決まるものなのか、どのように決めていかれるのかというところをもう少しだけ詳しくお伺いしたいです。

(ステファン・トーマス氏)
合意形成ということになりますので、自主的に行うことになります。
従って、このバリデーターに関してもそれぞれが好きなものを選ぶわけにはいかず、ネットワークにおける合意形成でここが一番良いという所が選ばれます。
結果としまして一番信頼性並びに可用性が高い、常にオンラインでいるバリデーターが選定されます。
ビットコインに私がいたころ、コントリビューターとしてその仕事をしていたころは、どの会社が実際に効果的なのか、全世界の人のどこにいるのかということ、データセンターをセキュアーに運用できるかどうかということを知る余地はありませんでした。
リップルにいますと、このような先ほどの選定基準できちんと選定するというインセンティブが生まれます。
これで回答になっているか分かりませんが、明らかにこの合意形成というのは非常に深いトピックですので、これについても長くお話することはできます。


(質問者1)
追加でもう一つだけ、ビットコインだとマイニングプールというのが中国に集中している状態だと思うのですが、リップルの場合は大体どれくらいの数のバリデーターがいらっしゃるのかなというのと、どのエリアにおられるのかというのが質問です。

(ステファン・トーマス氏)
バリデーターは誰でもなることはできます。
今、全世界ではバリデーターは50社ありまして、ほぼ世界に分散されています。
ただ、ほぼ新しくバリデーターになった会社ばかりですので、ユーザーの信頼は十分に得られていません。
しかし、2018年の終わりぐらいには全世界に均等に分散された形でバリデーターが設立されると思います。

(全体は会員のみ公開)


 

 

2017年04月 日本仮想通貨事業者協会 勉強会の様子