日本のファンド(集団投資スキーム)規制(III 暗号資産ファンドに対する規制)。

当協会の準会員「創・佐藤法律事務所」発表の記事からの抜粋となります。


はじめに

一般に「ファンド」とは、運用の専門家が複数の出資者から出資を募り、その出資金を用いて投資を行い、投資によって生じた利益を出資者に分配する仕組みをいう。

日本ではファンドに利用可能な法形態として、主に「信託」「会社(法人)」「組合」の3つがある。投資信託は「信託」、JREITは投資法人という「会社(法人)」が使用される一方、少人数の投資家を対象とするベンチャーファンドやPEファンドは「組合」形式が利用されることが殆どである。

本稿では、組合型のファンド(いわゆる集団的投資スキーム)に関する法制度の概要について述べ、更に、2020年5月1日に施行された令和元年改正金融商品取引法の内容を踏まえた暗号資産(仮想通貨)[1]に関するファンドへの法規制の影響についても触れる。

なお、集団投資スキームの投資対象は、有価証券の他、不動産、貴金属・原油等のコモディティー等様々であり、投資対象やスキームにより不動産特定共同事業法や、商品投資に係る事業の規制に関する法律(いわゆる商品ファンド法)などの規制が適用されることもありうるが、本稿では主として有価証券や暗号資産に投資するファンドについて検討する。

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