「セキュリティトークン規制に関する提言書」について

日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)は、日本のセキュリティトークン規制のあり方について、ICO・STO検討部会にて議論を行い、9月6日に「セキュリティトークン規制に関する提言書」をとりまとめ、関係各所と調整を図って参りました。本日公表いたします。

提言骨子

  1. 第一項有価証券に該当するセキュリティトークンの開示に関する規制
    電子記録移転権利は第一項有価証券としての取り扱いを受けることになるが、その権利の内容自体は第二項有価証券としての権利と変わらないことから、発行開示義務が課せられる場合における開示内容は、原則として、第二項有価証券のうち開示規制の対象となる有価証券投資事業権利等の開示内容と同等とし、これにトークン上に権利が表示されることに伴い必要な開示事項を付け加えたものとすべきである。
    また、電子記録移転権利に係る継続開示義務その他の開示規制についても、有価証券等投資事業権利等の特定有価証券と同様、四半期報告書、確認書、内部統制報告書、自己株券等買付状況報告書、親会社等状況報告書の提出は不要とすべきである。
     
  2. 第一項有価証券に該当するセキュリティトークンの二次流通市場の整備
    セキュリティトークンは、事実上の流通性の高さを根拠として第一項有価証券として位置づけられている以上、制度的に二次流通市場が整備される必要がある。二次流通市場が制度として整備されないと、「事実上の流通性」によって適法ではない流通市場が跋扈するであろうことは確実であり、このような事態を防止するために、少なくとも以下の二点を同時に確保するべきである。
     

    1. 自主規制を含むあらゆる規制や実務慣行のレベルを含め、セキュリティトークンの売買の媒介を第一種金融商品取引業者が行うことができないこととなる規範を設けないこと
    2. 売買システムを通じたセキュリティトークンの取引を可能とするため、私設取引システムによるセキュリティトークンの取引市場が創設されることを念頭に置いた制度整備を行うこと
       
  3. 改正金商法第2条第3項における電子記録移転権利の適用除外要件
    改正金商法第2条第3項における電子記録移転権利の適用除外要件である「流通性その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合」については、以下のいずれかを満たす場合とすべきである。
     

    1. 契約において権利の移転には発行者の承認が必要とされており、かつ、電子情報処理組織を用いて移転することができる範囲が技術的に制限され権利保有者が一定数を超えないことが確保されている場合;又は
    2. 権利者が特例業務対象投資家 に限られている場合
       

内容の詳細は、下記(PDF)をご覧ください。