2020年 年頭所感

暗号資産技術を用いたデジタルイノベーションの発展のため、
各種課題の解決へ取り組みます

 新年明けまして、おめでとうございます。

 旧年の国内暗号資産業界は、資金決済法、金融商品取引法の改正による、規制強化が行われた一方、行政処分などを理由に停滞が見られていた当業界にも、複数の新規暗号資産交換業者の登録認可、新規暗号資産のホワイトリスト化などの前向きな動きが再開、また、グローバルでは、facebookのLibra、中国におけるデジタル人民元など、注目すべき新たな通貨、価値のデジタル化の動きが出現するなど、明暗入り混じった一年でした。そのような環境下、当協会は昨年末時点で、会員数(121社)と順調に会員数が増加し、今期中に過去最高会員数を更新する見通しです。これは、暗号資産業界において様々な課題があるなかでも、引き続き暗号資産の将来性に大きなポテンシャルを感じ、多くの事業者が高い関心を寄せている証だと認識しております。

 前述の法改正においては「仮想通貨」を「暗号資産」に呼称変更されることや、デリバティブ取引、セキュリティトークン が金融商品取引法の規制対象になること、などが大きな改正項目となりましたが、当協会ではそれら法改正に対し各種分科会を創設、知見集約を図り、主に「デリバティブ」「セキュリティトークン 」「カストディ」に関する提言書をまとめ、規制当局への提言活動を行い、また、暗号資産ビジネス活性化における重要な課題となっている税制については、暗号資産取引に関わる分離課税、損益通算、少額非課税制度を主旨とした要望書を与党に提出し、その改正の実現に向けて、積極的な提言活動を行って参りました。これら業界活性化に向けた各種活動は、未だ実現に至らなかったものも多くございますが、暗号資産およびその関連技術は、トレードユースのみならず、今後あらゆる産業に必要不可欠なものになるとの信念のもと、本年も粘り強く提言活動を継続することで、かかる産業の発展に貢献していく所存でございます。

 本年2020年は56年ぶりに東京オリンピックが開催されていることから、日本は世界中から注目され、多くの外国人も日本に訪れることでしょう。これを好機として、日本が暗号資産技術を用いたデジタルイノベーションの発信地となるべく、引き続き、業界一丸となって各種課題解決に取り組んで参りたいと考えております。
今年一年、皆様にとって、良いお年となりますことを祈念しております。