2021年 年頭所感
暗号資産技術の社会実装を加速させる一年に
新年明けましておめでとうございます。
旧年は、世界中がコロナウィルスの蔓延という未曾有の危機に直面し、経済救済のために、過去に例を見ない政府による財政出動、中央銀行による大規模金融緩和が行われた結果、過剰流動性による資産価格の上昇という現象が起こりました。
その流れの中で、暗号資産の代表であるビットコインは、特にその高い価値貯蔵機能が着目され2.5万ドルという史上最高値を更新するに至ったわけですが、この原動力になっているのは、いわゆる機関投資家といわれる資産運用専門機関の本格的参入です。
つい先日までは、ビットコインをはじめとした暗号資産は、一部個人のマニアによるニッチな存在でしたが、資産運用のプロである機関投資家も、いよいよ暗号資産を本格的なアセットクラスの一つとして捉える動きが芽生えてきており、我が国においても超低金利における資産運用難の環境下、暗号資産をポートフォリオの一部として組み込むべき、という声も日に日に大きくなっております。
また、秋口には世界最大手決済事業者paypal社が暗号資産を決済に利用できるようにしたことで世界2800万に及ぶ店舗において決済が可能になり、前述の価値貯蔵機能に加え、決済機能面においても暗号資産の有用性に着目する動きが出てきていること、世界の中央銀行がデジタル通貨(CBDC)を発行する動き、N F T(Non-Fungible-Token)と呼ばれる代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンをビジネスに応用する動きなど、幅広い産業において暗号資産の技術が着目され、その社会的役割は着実に拡大してきていると言えるでしょう。
私共JCBAは、現在加盟会員数約109社と、国内最大規模の民間業界団体であり、発足以来、暗号資産を取り巻く技術は社会をより良く進歩させるインターネット登場以来の重要な技術である、という信念のもと活動をしておりますが、前述の通り、いよいよその認識が広がりつつあり、産業の爆発的拡大が目前に迫っていると実感しております。
本年も、例年に引き続き税制改正要望、トレードユース以外のユースケースの実現、金融商品化の推進など、国内最大規模の加盟会員の知見集約機能、提言機能を発揮し、加盟会員同士連携協力し、業界一丸となって、その課題解決に向けて精力的に活動して参る所存でございます。
本年一年、皆様にとって昨年以上に良いお年となりますことを心より祈念しております。