「2024年度税制改正に関する要望書」を政府宛てに提出いたしました

 一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(所在地:東京都千代田区、会長:廣末紀之、略称:JCBA、以下当協会)は、税制検討部会(部会長:斎藤 岳)が中心となり、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(会長:小田 玄紀、以下JVCEA)と共同で、暗号資産に係る2024年度税制改正要望書を取りまとめ、7月31日付で金融庁はじめ政府関係省庁へ提出しましたのでお知らせいたします。
 当協会は毎年、自民党「予算・税制等に関する政策懇談会」に業界団体として唯一参加し要望を行って参りました。本年度も、暗号資産交換業及び暗号資産関連デリバティブ取引業の自主規制団体であるJVCEAと共同で、両協会の会員である暗号資産交換業者及び暗号資産・Web3.0関連ビジネス事業者の意見を集約し、税制改正要望書として下記のとおり取りまとめました。

■要望骨子

(1)分離課税
暗号資産取引にかかる利益への課税方法は、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができることを要望する。暗号資産デリバティブ取引についても同様とする。
 
(2)法人税
ブロックチェーン技術を活用した起業等への阻害要因を除去し、Web3.0推進に向けた環境整備を図る観点から、法人(発行者以外の第三者)が短期売買目的以外で継続的に保有する暗号資産について、期末時価評価課税の対象外とするよう要望する。
 
(3)資産税
相続により取得した暗号資産の譲渡時の譲渡原価の計算について、取得費加算の特例の対象とすることや、相続財産評価について、上場有価証券と同様、相続日の最終価格の他、相続日の属する月の過去3ヶ月の平均時価のうち、最も低い額を時価とすることを要望する。
 
(4)暗号資産同士の交換
暗号資産取引に関する損益は、暗号資産同士を交換したタイミングでは課税せず、保有する暗号資産を法定通貨に交換した時点でまとめて課税対象とすることの検討を要望する。なお、前3項目と異なり、本要望は制度上の整理にとどまらず、新たな計算方法の採用や暗号資産の色分け(事実上ステーブル性のあるコインか否かなど)など検討すべきことが多岐に渡るため、まずは前3項目の改正を優先とし、その後の将来的な要望とする。

 
申告分離課税及び損失繰越制度を導入することによって、利用者による適正かつ積極的な申告を促進し、健全かつ公平な納税環境の整備を実現するとともに、法制度内での整合性・公平性も高め、我が国の海外に対する優位性を担保すること。また、Web3.0のエコシステム全体を見据え、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタル、サービスのユーザーなど、諸外国に劣後しない法人税の整備を整備すること。また暗号資産の相続人に対する過大な税負担を解決するための資産税の整備をすること。これらにより、暗号資産、パブリックブロックチェーンを活用したWeb3.0産業の発展と日本経済への貢献を実現するべく、引き続き会員事業者一同活動していまいります。

内容の詳細は、下記をご覧ください。

■資料

 1.2024年度税制改正に関する要望書(PDF)
 2.概要説明資料(PDF)
 3.暗号資産の各国税制比較表 (PDF)

■プレスリリース

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