2024年 年頭所感
春の到来
新年明けましておめでとうございます。
昨年は、⼀昨年から続くインフレの影響による⾦融引き締め、地政学リスクの上昇を背景に、年初、⽶シリコンバレーバンクの破綻による⾦融市場の混乱に始まり、暗号資産業界においてはFTX破綻の影響による世界的な規制強化の機運、⽶SECによる事業者への提訴ラッシュが⾏われるなど、事業者にとっては総じてネガティブなムードが蔓延する中で、年末にはFTX創業者サム・バンクマン=フリード⽒に有罪判決が出たこと、世界最⼤⼿取引所バイナンス創業者CZ⽒の⽶司法省との43億ドルと史上最⼤級⾦額での和解、CEO辞任など、FTX事件に端を発した⼀連の混乱の収束と歴史の区切りを感じさせる1年となりました。
他⽅、我が国においては、⾻太⽅針2022にweb3.0の推進に向けた環境整備指針が盛り込まれて以降、昨年も引き続き⾃⺠党web3PTにおける活発な議論が進展し、世界とは逆⾏して、政官⺠⼀体となったweb3産業推進の動きが加速しました。2018年以降、世界に先駆けて規制フレームワークの⼟台を構築してきた我が国は、今では逆にweb3産業推進国家に変貌しようとしており、今後、事業者を取り巻く環境は⼀層好転していくとの機運が⾼まっています。前述の通り、昨年は産業全体の混乱材料が⼀定の解決を⾒せ、徐々に視界が良好になってくることに加えて、本年においては、世界的な⾦融緩和の流れや、ビットコイン現物ETFの実現、ビットコイン半減期の到来、などの業界特有のポジティブ材料も後押しし、我が国のweb3産業全体は、昨年以上に本格的な春の到来を感じさせる1年になるのではないかと⼤いに期待をしております。
このように我が国においてweb3産業推進が進む中、私どもJCBAでは、⼀昨年に実現した「法⼈税における⾃社発⾏トークンに対する期末時価評価課税の適⽤除外」を更に前進させ、「第三者発⾏トークン」に対しても同様の期末時価評価課税の適⽤除外を実現、また、「暗号資産発⾏者の会計処理検討にあたり考慮すべき事項」、「web3事業参⼊の障壁となる暗号資産交換業該当性の明確化に向けた主要な論点整理」、「地⽅創⽣DAOの構築に係るガイドライン」などの成果物を公表、⽇本暗号資産取引業協会JVCEAに対し「IEO制度改⾰の初期案」「レバレッジ倍率改正について要望」の提案を⾏うなど、各部会が主体となって精⼒的な活動を⾏いましたが、現在、私どもJCBAは⾃⺠党や関係各省庁との連携し、質の⾼い提⾔や要望を⾏うことで、産業課題の解決を実現することのできる、業界随⼀の推進機関になっていると⾃負しています。
現在、私どもJCBAは加盟会員数が過去最⼤の149社となり、国内最⼤規模の⺠間業界団体に成⻑するに⾄りました。本年も、我が国のweb3産業発展に向けて、昨年同様、個⼈の分離課税実現に向けた暗号資産税制改正の更なる推進に加え、会計基準、交換業該当性の明確化、DAOをはじめとしたユースケース創出⽀援など、web3産業の発展の障害となる課題の整理、提⾔活動などを継続し、国内最⼤規模の加盟会員の知⾒集約機能、提⾔機能を発揮し、加盟会員同⼠連携協⼒のもと、精⼒的に活動していく所存でございます。
本年⼀年、皆様にとって昨年以上に良いお年となりますことを⼼より祈念しております。