最新 規制動向

平成28年12月仮想通貨ビジネス勉強会の様子

カリキュラム及び概要

  • 最新 規制動向
     森・濱田松本法律事務所 増島 雅和氏(当会理事)
  • 規制動向~レバレッジ等
     アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏(特別会員)
  • パネルディスカッション・質疑応答
     森岡 剛氏(Fintech協会(株式会社インフキュリオン))
     柿澤 仁氏(トーマツベンチャーサポート株式会社)
     河合 健氏(特別会員:アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
     奥山 泰全氏(正会員:株式会社マネーパートナーズ)
     増島 雅和氏(当会理事:森・濱田松本法律事務所)
     モデレータ:幸 政司(当会代表理事)



 


最新 規制動向

講師:森・濱田松本法律事務所 増島 雅和氏(当会理事)

仮想通貨法の施行は来年の4月と言われており、6ヶ月ほどの経過措置がありますが、施行のタイミングで政令規則並びにガイドラインが整備されていなければなりませんので、金融庁の規制の所に詳しい方であれば、現状、彼らが草案を作っている段階であるのがご想像の通りです。

我々は、彼らと一緒に中身を色々と話しておるところです。
彼らの法律の作り方の始めの予想としては、基本的に今回の法令は資金移動業並びであるのは始めから予測がついていたところです。

資金移動業のルールのほとんどをコピーした状態で、仮想通貨交換業に関する特別な部分ついての規定を作ると形式的には簡単にできてしまい、どのような規制になるのかは想像がついていたという状況でございました。

役所と話をしていても予想は外れてはおりませんので、普通のスケジュールで行くとパブコメが12月に出て1ヶ月ぐらい募集しまして、皆から出てきたコメントを踏まえて最終版が2月に出て施行を迎えるというスケジュールになりますので、あと数週間もすれば出てくるのではないかと思うのですが、事前にどのようなものになるかをお知りになりたい方がいらっしゃるようであれば、是非、資金移動業に関する政令規則と事務ガイドラインのところの記載を見て頂くと、概ね理解が出来るのではないかと思っている次第です。

その前提で、どの部分が資金移動業と異なるのかという部分を、役所と議論をするのが大きな作業だと思いまして色々な議論をしていたのですが、本日は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」周りがどのようになるかと、施行令や規則周りがどのようになるか、事務ガイドラインがどのような雰囲気になるかという部分について、役所とのディスカッションの中で得られている範囲で情報共有をさせて頂ければと思っております。

まず、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」周りの論点は、どこの段階で取引時確認をしなければいけないのかが政令事項で落ちておりまして、未だ世の中に出てない状況でありました。

この部分は予想がついておりまして、一つは口座開設時に実施するという話と、200万円を超える仮想通貨を交換する時は入るだろうという事であるのですが、気にしていたのは銀行でいうところの送金に相当するものが入ると、仮想通貨を移動させることも10万円で閾値を設けて規制がされるのか、取引時確認がされるのかという事を注目していたところでございました。

現時点での議論では、取引時確認をしたいというのが役所の・・・

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3年分の事業計画を出さないとならないという事になると思うのですが、そうしますと、どのぐらいのコストがかかるのかという事から、どのぐらいのビジネスにしなければいけないのか等、色々な事を考えていく事になるかと思います。

体制としての目安になるのは、資金移動業者程度の体制は必要だという前提で、組織の作り方、もしくは、人のアカウントを参考にしながら、これだけのコストがかかる前提で仮想通貨の交換ビジネスに入った時に、どれぐらいのトップラインを上げていかなければいけないのかという観点から考えて頂くと、このビジネスに交換業者として参入が可能なのかどうなのかというのが一定の目線が見えてくるのではないかと思っている次第です。

(全体は会員のみ公開)
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規制動向~レバレッジ等

講師:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏(特別会員)

信用取引やデリバティブ、レバレッジ辺りを中心に、少しばかりお話をさせて頂きたいと思います。
信用取引と先物取引には区別があるようでないようなという話ですが、お話をします“信用取引”は現物の信用取引という意味で使わせて頂きたいと思います。
また、先物のレバレッジがかかっているものとは区別をしてお話をしたいと思います。

法令の中で、仮想通貨の売買とは何かといった時に、基本的には現物の売買を念頭に法律が作られています。もちろん、先物の取引を仮想通貨の売買に含めるという考え方も有り得ます。金融商品取引法との整合性で言うと、そちらの方が馴染みやすいという意見も出ていました。
方向性としては元々の立法趣旨もありまして、資金決済法の定義の中では現物の売買を仮想通貨の売買というふうに、今のところは考えられています。
ただ、今後、この辺りが示されるかどうかはわからないので、これから出てくるガイドライン案やパブコメはよくご覧になった方が良いとは思います。

デリバティブが仮想通貨の売買に該当しないという事を前提に話をしますと、現物の信用取引には信用買いと信用売りというものがあります。
“信用買い”をするという事は現金が一定限度しかないという事になりますので、その他の分のお金はどうなるのかという話になります。
これは、業者が事実上貸しているという話になるので、そうすると、貸金ではないかという話になる可能性があるという事です。
貸金をするには銀行もしくは貸金業者でないといけないという話になりますので、貸金業登録が別途必要ではないかという論点が挙がるという事になります。
一方、顧客から見て現物の信用売りの方ですが、ビットコインであればビットコインを貸し出すという話になると思われますが、今の所、ビットコイン自体を貸し付ける事が貸金業に該当すると捉えられていると解釈をしています。

レバレッジですが、個人のFXは25倍まで、法人については別途のルールという事になっていますが、仮想通貨に関しては何倍が適切かというのは一律に判定するのは難しいです。

仮想通貨の中ではビットコインが一番の流動性があり・・・

・・・

外国に顧客を持つという事は禁止をされていませんが、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」などは日本の規則で対応するという話になるので、外国人だから「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の規則が緩むとかはありません。
むしろ、場合によっては疑わしい取引ではないかという話が出る可能性も有り得るので、その辺りはきちんとする必要があるのと思います

先ほど12月末頃に出てくる事務ガイドライン等がミニマムスタンダードとして資金移動業の建て付けと似ているという話もありましたが、それでも重たいというふうに思われる方がかなり多いのではないかと想像をしています。
利用者保護がきちんと図られている体制であれば、全てそこに書かれているであろう事を満たしていくという話でもないと思いますし、自社における仕組みによる利用者保護がかかるという事を、きちんと説明できるような形で話をされていくのが大事なのではないかと思います・・・

(全体は会員のみ公開)
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パネルディスカッション・質疑応答

森岡 剛氏(Fintech協会(株式会社インフキュリオン))
柿澤 仁氏(トーマツベンチャーサポート株式会社)
河合 健氏(特別会員:アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
奥山 泰全氏(正会員:株式会社マネーパートナーズ)
増島 雅和氏(当会理事:森・濱田松本法律事務所)
モデレータ:幸 政司(当会代表理事)

(当会代表理事 幸)
先ほどの増島先生のお話の中で、仮想通貨はブロックチェーンの技術に基づいてやるものではあるのだが、各業者に関してはリレーショナルデータベースというものを新たに作る必要があるのかないのかという事で、その辺りに関しては、どのようにお考えかお聞かせ願いたいのですが、森岡さん如何でしょうか。

(Fintech協会(株式会社インフキュリオン) 森岡氏)
私の個人的見解という事でお願いしたいと思います。
価値の移転にブロックチェーンを用いて実現した分散台帳で行うという点で世の中が動いているわけですが、ご指摘の通り、制度上似たような例で言いますと、色々なものが電子化されています。

キャッシュベースもそうなのですが、データが電子化されていて情報が電子的に格納されているのにも係らず、制度上、紙でやらなければいけないことが多々ございまして、裏で全部電子的にやっているのに最終的に印刷をして渡さなければいけない、もしくは、書式が省庁から出ているこの書式でなければならないと言ったところがあるので合わせている所ではあります。

ブロックチェーンもしくは仮想通貨におきましても、折角、中央管理者がいない、もしくは、中央管理の運営コストを低めた形での価値の流通は実現できていても、制度のやり方に依りましては報告のためだけに紙を出す、もしくは、規制で想定をされている書式でデータを出す事が起こり得るのかと思っています・・・

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(幸)
同じ点なのですが、柿澤さんはブロックチェーンにも詳しく、公認会計士というお立場もある中で、どのようにお考えでしょうか。

(トーマツベンチャーサポート株式会社 柿澤氏)
個人的な意見ですが、まずリレーショナルデータベースのようなものをそれぞれ持って監査対応をする必要があるのかと言われると、そこは必ずしもそうではないと思っています。
ただ、実際の取引所のお話を聞いてみないとわからない部分も多いのですが、必ずしも取引所が全ての取引をリアルタイムにブロックチェーンと連動をさせて取引をしているかというと、そうではないケースの方が多いと思っています。
同じ取引所間で送金をするとブロックチェーンに反映されているかというとそうではなくて、オフチェーン処理として取引所の中の勘定の付け替えだけを行うことがあるので、必ずしもブロックチェーンと会社が持っている帳簿明細が一致するとは限らないのです・・・

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(幸)
奥山さんのところは現在、FXと資金移動の両方をやられていると思うのですが、その辺りに関しましてはどのようにお考えですか。

(株式会社マネーパートナーズ 奥山氏)
必要な情報がきちんと確認できる状況であれば、遅延書き込みであってもリレーショナルデータベースとしては問題が無いように思いますし、分散型台帳でも問題が無いのではないかと思います。
管理すべきデータの有無自体が分散型台帳技術で保存されているのは、必要項目の担保がきちんとできるのであれば問題ないと思っています。

当局が要請している保存すべき帳票の項目の中で、どうしてもこの情報は保存しなくてはいけないのかというところは今の分散型台帳の情報だけでは当局が言う情報を保存し切るのは難しいと思うので、一極集中型のサーバーで保全しなければいけない情報があると思います・・・

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(トーマツベンチャーサポート株式会社 柿澤氏)
国の方で色々と決めてしまうとなると色々な動きが遅くなりますので、自主規制団体に任せられるのは良いと思うのですが、財務報告に求められる内部統制やコンプライアンス対策というところで勘違いしがちなのが、100点でないとダメだと思われる方が多いのですが、そうではなくてPDCAを回すという話なのです・・・

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(幸)
本日は以上で終了させて頂きます。
ありがとうございました。

(全体は会員のみ公開)
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