仮想通貨に係る会計上の取り扱い(草案)について

カリキュラム及び概要

  • 仮想通貨に係る会計上の取り扱い(草案)について
     PwCあらた有限責任監査法人 パートナー 鈴木 智佳子 氏
  • 仮想通貨の税務の取り扱いの現状
     元税務大学校 教育官 安河内 誠 氏
  • ビットコインの上場について
     CMEグループ エグゼクティブディレクター 駐日代表 数原 泉 氏

 


仮想通貨に係る会計上の取り扱い(草案)について

講師:PwCあらた有限責任監査法人 パートナー 鈴木 智佳子 氏

 「資金決済に関する法律の改正の背景及び改正の骨子」について、2014年2月にマウントゴックスがあったが故に、2015年6月のG7エルマウサミット首脳宣言において利用者保護の必要性とマネーロンダリングやテロに利用される危険性が指摘され、各国において仮想通貨に関して何らか規制をすることが必要ではないかと提言され、2017年4月に改正資金決済法が施行されています。

 改正資金決済法では仮想通貨交換業者の登録制が導入され、その中で仮想通貨交換業者は監査済みの財務諸表を提出しなければならないとなり、財務諸表監査をすることが必要になりました。

 会計に関する動きについて、企業会計基準委員会(以下、ASBJ)の第374回本会議が行われ、「仮想通貨に係る会計処理等に関する当面の取扱い(案)」が全会一致で承認をされています・・・

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 ASBJの案には含められていませんが、ICOとトークンセールスに関しては、会計上、仮想通貨の発行は仮想通貨の会計上の取扱いの範囲には含められていませんので、会計上の整理が行われていない状態となります。
 現金及び現金同等物に関しては、仮想通貨は法定通貨ではないので当てはまりません。

 金融資産、金融負債に関しては、トークンが仮想通貨の定義を満たすか満たさないかにかかわらず、契約上の権利・義務関係というものがないので、金融資産、金融負債の定義というのは満たしませんので、金融商品の会計に関する実務指針を適用することもできないと考えられます。

 基本的にトークンというのは有価証券の定義を満たさないように発行されていると理解しておりますので、トークンの保有者は発行体の所有者にはならないので、資本項目に計上することもできません。
 そうしますと、何かを売って対価を得ることになるので、売ったものを収益として認識することになると考えられます。
 収益の認識に関しては、収益認識に関する会計基準案が出されていますので、そちらの案に則り収益認識をすることが必要になります。

(全体は会員のみ公開)

 


仮想通貨の税務の取り扱いの現状

講師:元税務大学校 教育官 安河内 誠 氏

 所得税や法人税の取り扱いに関しては法令で明らかになっているものはないのですが、税制で明らかになっているものの一つが消費税です。
 昨年の12月、仮想通貨の譲渡にかかる消費税が非課税になるというのが翌年の税制改正の内容を決めるものとして公表され、今年の7月から実際に消費税が非課税になりました。
 もう一つは、資金決済法の施行に伴い資金決済法の仮想通貨交換業が登録制になりましたので、仮想通貨交換業の登録に際して登録免許税の納付が必要になるの法令として決まっていることです。

 所得税は9月に国税庁のタックスアンサーで、仮想通貨に関する所得区分などが明らかにされました。
 こちらでは、仮想通貨の使用により生ずる損益がある場合には、雑所得として課税対象になることが明らかにされていました。
 このときには、ビットコインの使用により生じる損益という説明だけで、これはビットコインだけなのか、ビットコインの使用の範囲はどこまでなのか、どのように所得を計算するのかということが疑問であると聞いていました。
 その後、国税庁のホームページで「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」という個人課税課情報 第4号が公表され、この中に「その他法令解釈に関する情報」があり、申告所得税のところを見ていただきますと、個人課税課情報で「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」が掲載されました・・・

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 法人税について説明しますが、会計上の取扱いに応じて法人税の会計上の処理などが行われてくるのだと思いますが、期末の時価評価の損益認識は、今の時点では特に何か決まっていることではないと考えられます。
 これが税制改正の対象になるとすれば、例年で行きますと12月の中旬に翌年度の税制改正大綱というのが出まして改正の内容が決まるので、その中に載っていれば時価評価の損益認識を税務上もやることが可能性としては考えられますが、現時点では分かりません。

 税務大学校の税務大学校論叢に仮想通貨の税務上の取扱いが、恐らく今週末か来週には公表されると思いますので、よろしければ御参考にしていただければと思います。
 ここには、説明しました所得税や法人税のほか、他の税目に関しても考え方などをいろいろ記述しております。

(全体は会員のみ公開)

 


ビットコインの上場について

講師:CMEグループ エグゼクティブディレクター 駐日代表 数原 泉 氏

 最初に、どのような経緯でビットコインのフューチャーズを上場することになったのか、CMEグループは様々な国際商品の基準価格が決まる場所です。
 価格が形成機能というのは重要ですし、もう一つ、リスク管理の機能を重視しております。
 つまり、リスクが発生する分野においてリスクを軽減したいと思う人たちが存在する場合に、リスク管理の手段を提供しようということでございます。
 今回、ビットコインに関してはリスク管理をするためのツールが不足しているということがよく言われております。
 お客様等からもリスク管理のツールとしてデリバティブを作成することができないか、CMEグループで上場できないかという話は来ておりました。
 お客様の御要望に対しますアプローチは、いきなりフューチャーズを作って上場することはなかなかできませんで、昨年の11月にビットコインのリアルタイムインデックスと、ビットコインの参照価格をパートナー企業と一緒に公表する作業から始めました。
 これらの指標価格の算出を1年間続け、その上で指標価格を参照価格もしくは原資産とするデリバティブであれば上場商品として公設市場に上場することが可能であるという判断に基づきまして、商品設計を行い、上場することになったわけです・・・

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 ビットコインフューチャーズにつきましては、12月18日に取引が開始される予定です。
 取引市場の中の証拠金には触れていなかったのですが、証拠金の額や建玉制限の細かいところが今後も変わっていくということがございます。
 また、商品仕様も出ているのですが、同じページにビットコインの指標価格と、BRTIというリアルタイムのインデックスを公表していますので、御参照いただければと思います。

 証拠金について、原資産がこういうプロダクトですので証拠金は従来のプロダクトと比べますとかなり高く設定しておりまして35%と公表しております。
 CMEグループの場合、証拠金は日々のボラティリティ等から改変されることがありますので、12月18日までの間にこれが変わるということは可能性としてはあります。
 また、最初に証拠金を差し引いていただきますときに1.1掛けという制度がございまして、その原資産をお持ちでない場合は1.1掛けの証拠金となります。
 このあたり取引開始の期日まで待たなければいけないのですが、株価指数と同じ制度が適用されるはずですので、これが適用されるのでしたらば1.1掛けということになります。
 なお、仲介業者によりこれ以上の証拠金を最終顧客から集めるということはございますので、取引所の設定している広告と実際は変わることがございます。

(全体は会員のみ公開)