『FATFのトラベル・ルールのレビュー及び準拠対応について』
『クリプトカレンシーに関する信頼度調査-エデルマンのトラストバロメーターについて』

カリキュラム及び概要

  • 日時:2020年7月29日(水) 17:00〜19:00
  • 場所:オンライン配信

※オンデマンド映像については、会員ページよりご視聴いただけます。

 


『FATFのトラベル・ルールのレビュー及び準拠対応について』

(盛本)
 皆様、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。本日は、『FATFのトラベルルールのレビューおよび準拠対応について』講演いたします。まさに先月、こちらのFATFのトラベルルールのガイダンスのレビューがあり、その結果のレポートが7月1日に出てましたのでご説明をさせていただきます。まず、ウェビナーのスピーカーのご紹介です。私がEllipticJapanのマネージャーの盛本です。現在、EllipticJapanというブロックチェーンの解析、ソリューションを提供する会社で国内法人を担当しています。本日ご説明する内容は、実は弊社のリーガルチームのデビッドが主に海外で説明してるものを、私が日本語でお伝えするという形を取らせていただきます。

 最初の30分は私からFATFの概要をご説明させていただき、後半はCoolBitXの日本現地法人のSygna株式会社の木村様より、実際にトラベルルールのソリューションにあたってさまざまな課題があるかと思いますが、どのような技術的な解決策があるのか、具体的なソリューションのご説明をしたいと思っております。それではよろしくお願いいたします。

 まず『本ウェビナーの概要』です。最初に、今回参加されてる方は恐らく『FATFの改訂ガイダンスの概要』は既にご存じかと思いますが、一旦その辺りを大まかにご説明差し上げ、トラベルルールの準拠対応にあたってどういった議論が交わされているのか、導入にあたっての技術的なハードルがどの辺りにあるのかをご説明します。さらに、去年の6月にトラベルルールの準拠対応が要求されておりますが、1年間の対応期間を経て、各国がどのような規制を設けたのか、導入状況はどのようなものだったのをご説明します。最後に、結局1年間の猶予期間があった中で、FATFがどういったレビューの総括を出してるのかをご説明します。次にCoolBitX様から、トラベルルールの準拠対応の課題に対して技術的解決策のご紹介をします。CoolBitX様と弊社Ellipticはパートナーシップを組んでおり、今回共同でウェビナーを行っています。何故パートナーシップを組んだのか、どういう価値をご提供するのかという点もご説明さしていただければと思っております。

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(木村)
 盛本さん、ありがとうございます。皆さま、初めまして、木村紀文と申します。SygnaBridgeではエンタープライズ・ソリューション・セールスという形で、皆さまがたにトラベルルールに対応するためのソリューションを提供させていただこうと思っています。私どものソリューションを軸に、トラベルルールに対してどのようなテクノロジー、技術的な観点で対応していくのかをご説明させていただきます。

 こちらは既に盛本さんからもご説明がされているのですが、暗号資産交換業者とイメージしていただければ大丈夫ですが、VASPAとVASPBという2社間で暗号資産のやりとりがあった場合です。通常は、例えばトレーダーか分からないですけどもユーザーが出金をリクエストして、こちらのAからBに暗号資産を動かしたいですというリクエストをAに上げたとします。そのまま、恐らくVASPAは内部にあるワークフローをたどった上で、ブロックチェーン上にトランザクション・ブロードキャストで完了というのが、今までのフローだったと思います。今後トラベルルールに対応する上で必要になってくるのが、取引データおよび暗号化された個人情報のやりとりが発生するのが一点です。これが主にVASPAからBにやりとりされるというところです。最後に、そのような個人情報、トラベルルールに対応する上での情報を受領しましたという証明書も、VASPBからAにやりとりがあるというのが、これはあくまでも私どもSygnaBridgeのソリューションですけれども、このようなフローになっております。

 こちら現在のトラベルルールのソリューションについて、私どもで独自のリサーチをさせていただきました。主にソリューションとしては、弊社のSygnaBridge、CipherTraceのTRISA、Shyft、OpenVASP、NetkiTransactIDの五つがあります。これを七つの観点で分析をしまして、このテーブルの1枚にまとめてみました。『テクノロジー』の部分については、弊社、SygnaBridgeは中央集権型のメッセージングシステムを利用しております。CipherTrace、Netkiに関してはオープンシステムの証明フレームワーク、X.509というものを使用しております。Netkiに関してはBIP75も含まれております。そうしてShyft、OpenVASPに関しては、ブロックチェーンベースのプロトコルを使用しております。

(全体のデータは正会員・特別会員のみ公開)

 


『クリプトカレンシーに関する信頼度調査-エデルマンのトラストバロメーターについて』

(成松)
 皆さま、よろしくお願いいたします。本日は、私どもの会社が年次に行っているトラストバロメーターという、いろいろな組織に関する信頼度に関する調査を行っており、昨年はそのサブセグメントとして暗号通貨にかかる信頼度を調査しましたので、その調査結果を皆さまに共有したいと思います。

 本日の目次ですが、最初に弊社エデルマンという会社を恐らく皆さんほとんど知らないと思いますので、簡単に説明します。2番目にトラストバロメーター(TB)調査の内容についてご説明をさせていただきます。3番目がメインの話ですけれども、トラストバロメーターのクリプトカレンシーについての調査結果のダイジェストです。最後に、その調査結果から得られる示唆を皆さんに共有させていただきたいと考えています。

 まず当社エデルマンですけれども、一言で言うとPRのエージェントをしている会社です。PRのエージェントが、そもそも何ぞやという話も、次のスライドでお話したいと思いますが、PR、コミュニケーションのコンサルテーションをやっている会社です。この会社は社名になっているダニエル・エデルマンという人が1952年につくった会社でして、いくつかPR代理店は世界にありますが、創設以来ずっと非上場で、独立性を保っている企業です。現在では、65都市以上に6000名のスタッフを抱えるほどの企業になっております。

 広告代理店は、皆さま電通、博報堂みたいなところを聞いたことが多いかと思いますが、PRの代理店とはどういうことをやっているか、すなわち「広告」と「広報・PR」とは何が違うのか簡単に説明します。当然のことながら広告というのは、自分がコストを払って媒体枠を買い、自分たちが流したいメッセージを出しますので、コストは有料です。掲載決定件は企業側が持っており、従って、当然企業側で広告審査はありますが、基本的にはそれがターゲットした媒体に乗ることが確実視されているものです。当然のことながら作り手の意図が非常に反映された主観的な内容になっています。

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 インプリケーション的な話を最後にしますと、暗号資産に関しての信頼を構築するには、とにかくイノベーション、これをもたらすベネフィットというだけではなくて、いい点と悪い点を、透明性を持って説明することが非常に重要になってくるということです。それからこれは何事でもそうですが、何も知らないものに関して言うと、やはりそれを怖がってしまう、リスクがあると思ってしまいます。これは人間のさがなので、分かりやすい教育も非常に重要です。それを行った上で、認知度を上げていくことが重要だと言えると思います。それと同時に有用性、要するに社会にもたらすプラスの影響を示すということです。あとは先ほどもあったように、業界団体、業界横断的な倫理というふうなことを守ることが重要であります。1番目は、メリットだけを伝えるのではなくて、何かが起こったときにリスク管理的なところに対処する、準備をすることは必要という、そういうコンテクストだというふうに言えると思います。以上で、私のほうからの発表は終わりにさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

(全体のデータは正会員・特別会員のみ公開)