『RWAトークンの利活用に関するガイドライン』等を公表
~RWA トークンの発行・流通市場の構築の推進を目指す~
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(以下「当協会」)では、一般社団法人社会実装推進センターが実施する経済産業省の令和5年度補正「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」テーマ①-1:現物資産や無形資産のデジタル化市場(発行・流通市場)構築(ガイドライン)に関する実証事業(以下、「本事業」)を受託し、昨年8月より取り組んできました。
この度、当協会は、本事業の成果物として、ブロックチェーン技術を活用し、現実世界の資産や権利をトークン化するRWA(Real World Assets)トークンの利活用を促進するためのガイドライン(以下、本ガイドライン)を策定しました。本ガイドラインは、RWAトークンの発行・流通市場の構築を推進し、関連する制度的課題の解決を目指します。
背景及び目的
トークンには以下のような特長があり、現実資産等をトークンと紐づけることで従来困難であった形態での現実資産等の保有・移転が可能になるなど、新たなビジネス機会の創出が期待されています。
- クロスボーダーを含む移転(流通)が容易になる
- 分割(小口化)が容易になる
- 流通経路の追跡が容易になる
一方、以下のような現実資産等が紐づくトークン(RWA トークン)特有の課題もあり、それらの課題解決に向けた論点整理等の対応を取りまとめた「RWAトークンの利活用に関するガイドライン」を策定しました。



RWAトークン活用事例
RWAトークンを利活用したビジネスとしては、以下のような事例があります。
- Sake World NFT:日本酒と引換え可能なNFT「酒チケット」のマーケットプレイス
- NOT A HOTEL:別荘の共有持分権をNFTとして販売するサービス
本ガイドライン活用の効果
RWAトークンにおけるRWAとして扱えるものは特定のアセットに限定されず、これから様々なものがトークン化され得る為対象は幅広く、かつ上記のトークンの特長を踏まえれば、今後さらに活用が拡大していくことが想定されます。本ガイドラインにより、トークン化して流通するに際しての法的な不安定性を低減することができれば、ブロックチェーンが様々なアセットの流通に積極的に活用される動きにつながることが期待できます。
成果物では、本ガイドライン及び利用規約の他、補足説明資料を作成しました。大企業スタートアップ問わず、社内法務担当、弁護士、会計監査対応の他、社内外への説明資料としても活用が期待できます。
ガイドラインの構成
本ガイドラインは、前述の背景及び目的等を踏まえ、以下にて構成しています。
- 第1章では本ガイドラインの概要及び実際の事例の紹介
- 第2章ではトークンの移転を当該トークンに紐づく現実資産等の移転とみなすための論点整理
- 第3章では現実資産等が紐づくトークンの権利義務関係に関する論点整理
- 第4章では中長期的な課題の取りまとめ
- 別添参考資料として利用規約のひな形(トークンに係る利用規約のひな形、プラットフォームに係る利用規約のひな形)を添付。
成果物の全体像

資料のダウンロード
- RWA(現実資産等)トークンの利活用に関するガイドライン
- 別添1 トークンに係る利用規約のひな形案(上記ガイドライン最終ページに記載)
- 別添2 プラットフォームに係る利用規約のひな形案(上記ガイドライン最終ページに記載)
- RWAトークンの利活用に関するガイドライン 補足説明資料
英語版資料
- Guideline for Utilizing RWA Tokens
- Attachment 1 Draft Template of Terms of Use for Tokens
- Attachment 2 Draft Template of Terms of Use for Platforms
- Guidelines for Utilizing RWA Tokens Supplementary Documents
本事業の受託について
本事業の受託においては当協会を幹事会社とするコンソーシアムにより取り組みました。
コンソーシアムメンバー
- KPMGジャパン
- 創・佐藤法律事務所 斎藤創(補助者:水嶋優)
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 長瀨威志
- 森・濱田松本法律事務所外国法共同事業 増田雅史(補助者:石橋誠之、塩崎耕平、舘貴也、一井梨緒)
意見集約について
本ガイドラインの作成にあたり、広く意見集約を行うため、当協会会員はもとより、事業者、法学者、弁護士、会計士、業界団体等、多くの皆様にご協力いただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。
- 当協会NFT部会(過去に、 「NFTビジネスに関するガイドライン」、「RWAトークンを発行する上での主要な規制にかかる考え方」を公表)と連携
- 会員外から広く意見聴取、本ガイドラインの周知及び専門家等からの意見聴取のため、ヒアリングイベントを開催及びパブリックコメントを実施、個別のヒアリングを実施、業界団体等からの周知協力
- 2024年11月【JCBAオープンセミナー】RWAビジネスの最新動向と発展に向けた課題
- 2024年11月パブリックコメントを実施 期間:2024年11月29日(金)~12月19日(木)
本実証事業の全体の成果物一覧の掲載について
【3/25(火)更新】本実証事業の全体の成果物の一覧がJISSUIと経産省から掲載されました。
下記をご参照ください。