「日本におけるステーブルコインの制度設計の在り方について」の公表
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会
ステーブルコイン部会
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(所在地:東京都千代田区、会長:廣末 紀之 以下、当協会)は、この度、ステーブルコインの日本国内における取扱いを目指して法的整理に関する研究を行うステーブルコイン部会(部会長:白石 陽介)にて、「日本におけるステーブルコインの制度設計の在り方について」を公表いたしました。本提言は、日本において不明瞭であったステーブルコインの法的課題を整理し、その分類に応じた適切なAML・CFT対策、分別管理、安全管理を備えた法的枠組みを設けることでその取扱い実現を目指すものです。
あるべき制度設計 -提言のまとめ
ステーブルコインへの期待と当部会の取り組み
CBDC、ステーブルコイン、民間発行のデジタル通貨、NFTなど、ブロックチェーン技術の活用が広がり、社会全体・金融のデジタル化が加速している中、ステーブルコインの持つプログラマブルなマネーである性質やP2P取引が可能な性質が注目されています。実際に海外におけるステーブルコインの時価総額は、2021年10月現在時点で主要銘柄のUSDTでは約8.1兆円※1、USDCでは約3.8兆円※2と大きな市場規模を有しています。
これらのステーブルコインはブロックチェーン上の資産であるため、発行者と流通が分離された機能・実務的性質を有します。このことから、国内においてステーブルコインの取り扱いを検討する際には、各種金融法制の適用に不明瞭な点が存在します。また、国際的にもAML/CFTの観点を踏まえ法的整備をすべきとの要請が高まっており、ステーブルコインの取扱において、法的枠組みの検討は急務となっております。
そこで、当協会ステーブルコイン部会では、日本でのステーブルコインの取扱いにあたっての現行法の課題点を整理し、払戻約束型ステーブルコインとプリカ型ステーブルコインに分類の上、それらのあるべき制度設計について検討を行いました。
※1,2 CoinMarketCap,https://coinmarketcap.com/,2021/11/5
本提言で取り扱うステーブルコインについて
ステーブルコインと呼ばれるものには様々な性質のものが存在します。本提言では以下の性質を有するステーブルコインを取り扱います。
- 法定通貨を裏付け資産とするもの
- 既存の電子マネーと異なり、発行者と流通者が分離しているもの。
- 発行者による制限なく、ブロックチェーン等を通じて不特定多数の者の間で移転可能な仕組みを有するもの。主として、パブリックチェーン上のトークンであって特段利用者の制限なく広く流通するもの(オープンループ型トークン)を取扱い、プライベートチェーン上のトークン等、利用者や参入事業者が制限されているもの(クローズドループ型トークン)は取り扱わない。
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■資料
1.日本におけるステーブルコインの制度設計の在り方について (PDF)
■プレスリリース
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■ステーブルコイン部会について
分科会情報はこちらをご参照ください。