税制検討部会
目的
日本における暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンビジネスの健全な成長のため、現状の税制の課題を論点整理し、税制改正要望の具体案をまとめ提言していく。
活動内容
・税制改正要望書の作成
・暗号資産取引(現物・デリバティブ)の取引履歴形式統一の取り組み
・税制改正を要望するにあたって暗号資産の社会的有用性を示す報告書作成、
および地方創生プロジェクトの創出。(別途ユースケース部会を発足)
税制改正要望の骨子(2024年度)
- (1)分離課税
暗号資産取引にかかる利益への課税方法は、20%の申告分離課税とし、損失については翌年以降3年間、暗号資産に係る所得金額から繰越控除ができることを要望する。暗号資産デリバティブ取引についても同様とする。 - (2)法人税
ブロックチェーン技術を活用した起業等への阻害要因を除去し、Web3.0推進に向けた環境整備を図る観点から、法人(発行者以外の第三者)が短期売買目的以外で継続的に保有する暗号資産について、期末時価評価課税の対象外とするよう要望する。 - (3)資産税
相続により取得した暗号資産の譲渡時の譲渡原価の計算について、取得費加算の特例の対象とすることや、相続財産評価について、上場有価証券と同様、相続日の最終価格の他、相続日の属する月の過去3ヶ月の平均時価のうち、最も低い額を時価とすることを要望する。 - (4)暗号資産同士の交換
暗号資産取引に関する損益は、暗号資産同士を交換したタイミングでは課税せず、保有する暗号資産を法定通貨に交換した時点でまとめて課税対象とすることの検討を要望する。なお、前3項目と異なり、本要望は制度上の整理にとどまらず、新たな計算方法の採用や暗号資産の色分け(事実上ステーブル性のあるコインか否かなど)など検討すべきことが多岐に渡るため、まずは前3項目の改正を優先とし、その後の将来的な要望とする。
運営メンバー
部会長 :斎藤 岳氏 株式会社pafin(旧株式会社クリプタクト) 代表取締役
副部会長:竹ケ原 圭吾 コインチェック株式会社 常務執行役員CFO コーポレート本部長
幹事 :堀田 昂慈 株式会社HashPort 取締役
幹事 :神藤 優介 Animoca Brands株式会社 Head of Finance
顧問 :増島 雅和 森・濱田松本法律事務所 パートナー
下尾 裕 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業 パートナー
福井 崇人 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業 パートナー
遠藤 努 長島・大野・常松法律事務所 パートナー
泉 絢也 東洋大学 法学部 准教授
成果物等
部会発足前の活動について
2016/10 | 自由民主党「組織・政調、予算・税制等に関する政策懇談会」にて、当会は消費税法制度に関する要望を提出 ⇒平成29年度税制改正の大綱閣議決定 仮想通貨は非課税扱いに |
2018/2 | 自民党各種団体協議会懇談会への参加 |
2018/11 | 自民党予算税制政策懇談会において2019年度税制改正要望書を当会名で提出 |
2018/11 | 立憲民主党に2019年度税制改正要望書を説明 |
2019/4 | JCBA税制検討部会が発足 |
部会開催情報
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第18回 2024年7月11日
■R7年度の税制改正要望書のファーストドラフトのご説明
運営メンバーにて作成した税制改正要望書のファーストドラフトを説明し、意見交換を行った。今後は本要望書の最終化を進めていく。
また、第三者保有の期末時価評価課税の対象除外(R6年度改正)について、その制度を活用促進のための説明会を5月30日に開催した(JCBA、新経済連盟、日本ブロックチェーン協会共催)。当日は、金融庁 企画市場局 信用制度参事官室より、制度のご説明をいただいた。会場:オンライン開催
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第17回 2024年4月24日
■R6年度の振り返りと、 R7年度の要望について
R6年度については、第三者保有の期末時価評価課税の対象除外について、政官等との1年の折衝の末、改正が実現した。また、当日はJVCEAより本改正に係る実務上の具体的なオペレーションについてご説明いただいた。
R7年度の要望の方向性について、運営メンバーよりご説明を行い、意見交換を実施した。また、会員内アンケートにて要望に関する意見を広く募集し、要望内容に検討していく方針となった。会場:オンライン開催
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第16回 2023年7月5日
■今期税制改正要望の進捗状況について
金融庁との今期税制改正議論の状況、税制改正要望書ファーストドラフトおよび付属資料について報告し、要望骨子や理論構成などについて会員一同で意見交換を行った。
会場:オンライン開催
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第15回 2023年3月15日
■2023年度税制改正要望の振り返り、2024年度要望について議論
今期の税制改正要望活動の振り返りを行った。また、また、来期要望の活動状況を報告し、論点や項目等の方向性について会員一同で意見交換を行った。
会場:オンライン開催
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第14回 2022年7月1日
■ドラフト版要望書の説明&意見交換
前回のディスカッションも踏まえ作成したドラフト版要望書や、アンケート結果、各国税制比較についての説明を行った。また、ロビー活動や、関係各所との意見交換の状況についても説明を行った。
会場:オンライン開催
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第13回 2022年5月10日
■今期活動の全体像と要望書骨子について
税制改正へ向けての活動について、昨年の振り返りと今年の改善点等を含め、運営メンバーより今年の活動の全体像について説明を行われ、当部会内でディスカッションを行った。
また、要望書の骨子、構成についてもディスカッションが行われた。会場:オンライン開催
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2021年10月7日-10月28日(毎週、計4回開催)
■暗号資産取引履歴の参考フォーマット公開
暗号資産の損益計算においては、ユーザーが複数の業者間で取引を行う際、フォーマットが違うことで計算が煩雑になるという課題などがあります。そこでJCBAでは、ユーザーが行う納税環境の改善に資するべく、取引履歴フォーマットの参考例を作成しました。
作成においては、暗号資産の損益計算のサービス事業者と、交換業者を中心として、検討を重ねて参りました。
詳細はこちら会場:オンライン開催
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第12回 2021年9月27日
■税制改正向けた今後の取組&取引履歴形式について
JCBAでは、2021月8月11日に税制改正要望書の取り纏めの公表を行ったが、今後本書をもとに関係各所とのコミュニケーション等、今度の取組について検討を行った。
また、取引履歴形式統一の取り組みについて、目的、ゴールの認識合わせなどを行った。会場:オンライン開催
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第11回 2021年7月2日
■一般投資家アンケートの結果&分析について
6月に実施した一般の暗号資産投資家の方のアンケート結果について情報共有を行ったほか、各国の税制の比較や、暗号資産と他の金融資産との比較など、前回に引き続き2022年度の税制改正要望書の作成に向け議論を行った。
会場:オンライン開催
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第10回 2021年6月2日
■税制改正要望の作成に向けて
2022年度税制改正要望書の作成に向け、今回は関係各所へのヒアリング結果の情報共有や、要望書へ反映する予定の市場調査データなどについて議論を行った。
会場:オンライン開催
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第9回 2021年4月15日
■新部会長就任 & 税制改正に向けた今度のアクション
部会長に、斎藤 岳氏が就任(株式会社クリプタクト 代表取締役)。暗号資産の税制改正を目指し、今年度の具体的な活動内容について議論を行った。
会場:オンライン開催
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第8回2021年2月18日
税制改正要望について次年度の骨子の確認、構成内容、スケジュール、ユースケース部会との連携を議論した。暗号資産取引(現物・レバレッジ)の取引履歴形式の標準化について活動方法や方針を議論した。
会場:オンライン開催
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第7回2020年9月25日
暗号資産取引(現物・レバレッジ)の取引履歴形式の標準化に対する提案について、趣意書、標準化形式、スケジュールに関する説明と意見交換を行った。損益計算・確定申告業者・交換業者で草案を作成することとした。
会場:オンライン開催
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第6回2020年7月14日
今年度提出の税制改正要望書について、JVCEAとの連携により作成したドラフトをもとに論旨を共有し議論を行った。今回の議論をもとにドラフトのアップデートを行う。また、提出等のスケジュールを確認した。
会場:オンライン開催
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第5回2020年3月30日
昨年の要望骨子について、本年の制度改正にかかるところで、状況が変わったところや、留意する必要があるところ、主に暗号資産デリバについての議論を行った。また、ドラフト作成にあたり、実業側の知識を提言に盛り込んでいき協力をあつめていく予定。
会場:オンライン開催
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第4回2020年1月20日
昨年の活動についての振り返り、反省、今年の活動方針について、部会長沼澤氏、廣末会長、奥山理事等含め議論を行った。昨年7月にまとめた「2020年度税制改正に関する要望書」の内容は今年も継続して提言し、アップデートを行う予定。また、仮想通貨の社会的な有用性について、関係各所に理解していただた上で、要望書の内容を伝えてはどうか等、議論が出た。
会場提供:丸の内vacans
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第3回2019年7月11日
これまでの議論を元に作成した提言書を部会員にて共有し内容についての最終確認をおこなった。本日の議論をもって、提言書の完成を目指す。
会場協力:森・濱田松本法律事務所
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第2回2019年6月5日
前回の議論をもとに作成した提言書のドラフトについて、意見交換を行った。今回議論をもとにドラフトのアップデートを進めていく。
また、提言書リリースまでの流れやスケジュールを確認した。
会場協力:丸の内vacans
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第1回2019年4月12日
JCBA税制検討部会立ち上げ以前の活動、経緯について情報共有を行った。現状の税制や、各社が考える課題について論点整理を行い、意見交換を行った。
部会長は㈱Aerial Partners 代表取締役 沼澤 健人氏に決定した。
会場協力:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
メディア掲載
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