『企業を狙うサイバー犯罪の現状と対策について』
『UASFについて』
『パネルディスカッション』
カリキュラム及び概要
- 日時:平成29年6月23日(金) 17時00分~19時00分
- 場所:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 企業を狙うサイバー犯罪の現状と対策について
警視庁 サイバー犯罪対策担当者
警察庁 犯罪収益移転防止対策室担当者
※本内容については、非公開のため議事はございません。 - UASFについて
ブロックチェーン大学校 ジョナサン・アンダーウッド氏 - パネルディスカッション
株式会社ビットアルゴ取引所東京 尹 煕元氏
ビットバンク株式会社 廣末 紀之氏
マネックス証券株式会社 三根 公博氏
SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社 斎藤 亮氏
モデレーター:当協会会長 幸 政司
UASFについて
講師:ブロックチェーン大学校 ジョナサン・アンダーウッド氏
UASF対策の呼びかけについて申し上げます。
前回も出したスライドなので軽くおさらいをします。
ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれているものから取引の束という見方をします。
全てのブロックチェーンで管理している取引のデータがブロックに入っていないと、取引が行われていないものとみなされます。
そして、そのブロックに対してハッシュ関数というものを掛けることで採掘(マイニング)されます。
記事などで取り上げられていますが、中国で特殊な機械をたくさん棚に並べて、多くの演算を行ってビットコインのセキュリティーを確保しています。
本日の焦点は、多くのハッシュを掛けられた方のチェーンが正しいというものになります。
ブロックチェーンは全世界のマイナーたちがハッシュ関数をたくさん掛け、正しいブロックがどれかというのをくじ引きのような確率論で行われるゲーム理論なのです。
非常に確立として低いのですが、世界の反対側で2人のマイナーが同時に次のブロックを見つけてしまうことが、おおよそ1日に1回ぐらいのペースで行われます。
ほとんどの場合には、どちらかが先にブロックを見つけて長くなった場合に、短い方のブロックを消して、長い方のブロックチェーンが正常ですということになります・・・
・・・
ここで提案をさせていただきたいことがございます。
このUASFが発生した時に、ハードフォークがいつ起きるのか、UASFの非対称REORGフォークがいつ行われるのか、その時に色々なフォークが消えたり、現れたり、ブロックが巻き戻されたりという状況で、非常に混乱を招いてしまう可能性が高いと見ています。
まずは、8月1日の午前9時(日本時間)、厳密にはGMTの0時なのですが、過去のブロックを遡った平均値なので若干遅れることがありますが、入出金の停止をします。
出金の場合、出金のロジックや出金の要請ページを停止させます。
入金の場合、ブロックチェーン上では停止することはできないのですが、入金用ページへのアクセスを止めて、入金があった場合には、どこかで保留させておいて、取引可能BTCに反映しないという形で停止します。
そうしますと、お客さんに約束できることは、預けられているBTCはどんな取引が行われても、チェーンが消えたり、現れたりしても、必ず保証しますという約束ができます・・・
・・・
取引所が大損をしたということは、顧客にそれが転化される危険性がありますので、今回のハードフォーク及び非対称REORGフォークの脅威からお客様を守るためには、入出金を停止すべきであると提案させていただきます。
その中で、お客様の混乱を招かないように全取引所で意思を統一したほうが良いと思っています・・・
(全体は正会員・特別会員のみ公開)
パネルディスカッション
株式会社ビットアルゴ取引所東京 尹 煕元氏
コインチェック株式会社 大塚 雄介氏
ビットバンク株式会社 廣末 紀之氏
マネックス証券株式会社 三根 公博氏
SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社 斎藤 亮氏
モデレーター:当協会会長 幸 政司
(幸)
最初に尹様にお聞きしたいのですが、今、起こっている問題に関して、総合的にどのように考えられているのかをお願いできますか。
(株式会社ビットアルゴ取引所東京 尹氏)
幾つかのご指摘の中で最初に懸念したいのは、特に仮想通貨という情報共有です。
当然、色々な取引所が各取引を行っておるのですが、では、各取引所が今、マーケットが幾らついていて、どれくらいの頻度があってどれくらいのボリュームがあるかということを、全て網羅されている方は殆どいないと思うのです・・・
(コインチェック株式会社 大塚氏)
新しい事業に取り組むことや拡大すればするほどリスクは高まっているという認識はしています。
業務を執行している観点からしますと、一番優先すべきことは何のリスクが起こっているかというのを分析して、経営が自らリスクをつぶしにいくということは非常に大切だとは思っています・・・
(ビットバンク株式会社 廣末氏)
・・・この業界団体により1事業者としても質を上げることができればいいのではないかと思っています。
今は、リスクは拡大する一方です・・・
(マネックス証券株式会社 三根氏)
・・・業界で何らかのガイドラインなりを作らないと厳しい規制が来るという、これも歴史が繰り返していますので、率先して実現可能な何らかのガイドラインを作る時期になっているのではないかと思っております・・・
(SBIバーチャル・カレンシーズ株式会社 齋藤氏)
・・・特に、お話があったようなブロックチェーンの分岐の話や、オデットの管理等、これまでの金融業を経験していたものからすると、将来的なリスクを知覚できないリスクというものが今後の課題になると思います・・・
(全体は正会員・特別会員のみ公開)