「仮想通貨業界 海外の実状」

カリキュラム及び概要

  • 第一部 「仮想通貨業界 海外の実状」
     株式会社HashHub CEO 東 晃慈 氏
     東京ビットコイン会議 幹事 宍戸 健 氏
  • 第二部 「51%アタック 今後の対応など」
     Japan Digital Design株式会社 最高技術責任者 楠 正憲 氏

 


「仮想通貨業界 海外の実状」

株式会社HashHub CEO 東 晃慈 氏
東京ビットコイン会議 幹事 宍戸 健 氏

 本日は、日本の仮想通貨事業者や市場の特徴を海外と比較した際の話をしたいと思います。
 セキュリティの話や規制の話が多いのですが、海外ではどのように日本が捉えられていて、海外と比較したときにはどのような状況かを知る人は多くないと思います。
 自分が感じる日本の取引所やブロックチェーン業界全体の課題と問題点は何か、なぜ取引所は先端技術やトレンドを理解する必要があるのかという理由を説明します。
 
 一般の浸透や露出の点ではおそらく世界トップで、広告が普通に電車に乗っているだけで出ているという国は他にはありません。
 海外の人は、なぜ日本は一般的に浸透しているかという意見を持つ人が多いですが、税制が足を引っ張っていると思いますし、明確な法律が存在しているのも特徴です。
 他の国はこれからどうするのかを議論している段階なので、それができている日本は大きなプラスでもありますし、マイナスになるところもあるかなという話をします。
 もう一つ、取引所以外の技術やビジネスの進展が遅れているというのが率直な感想としてあります。これは、取引所をやるから他のプロジェクトは関係ないというようなことを言えるように思いますが、海外では事情が少し違うという話もしたいと思います。
 
 自分が行った国の中で特徴があり覚えている所で比較をします。アメリカやヨーロッパはプロトコル開発が盛んです。
 ビットコインやイーサリアムのプロトコルを開発している人たちが前線で頑張っている状況です。 取引も強いのですが日本や韓国ほどではなく、プロトコル開発が一番いいというところがあります。
 イスラエルの面白いところは、発想がすごい豊かなので色々なタイプのプロジェクトがあるのですが、取引は全然盛り上がっていません。
 
 シンガポールはアジアの暗号通貨やブロックチェーンのハブというイメージがありますが、取引所が銀行口座を凍結されて法定通貨と暗号通貨の取引ができない現状があり、取引が遅れているのです。税制は優位ですが、既存の金融機関からの協力がないと、トレードも盛り上がらないという状況です。
 中国は去年にトレードを禁止し、色々と不明確な点が多いのですがマイニングは進んでいます。中国 のマイニング業者と話しましたが、日本でマイニング事業に参入しようとしている人とのレベルが全く 違います。現場の知識やノウハウが多く蓄積されていて、マイニングに関してはレベル差を感じました。
 韓国は非常に日本と似ており、取引は盛り上がっています。取引量を全て足すと日本よりも大きいくらいなのですが、その他の事業は全然育ってないので日本と近い構造になっているという印象です・・・



 

 私、2013年から東京ビットコイン会議を主催しておりまして、2013年から2016年まで約180回の定例会を開催していました。その後、2016 年9月から海外のビットコインコミュニティを訪ねて回り、結果的にイスラエルに拠点を置いていまして、イスラエルのプロジェクトとその他の海外プロジェクトについて紹介をさせていただきます。
 
 ICO とブロックチェーンという言葉が先行し、資金が多く集まる中で、実際にブロックチェーンテックでのプロジェクトが稼働しているのは意外とありません。ただ、ビットコインの周辺事業はすごい勢いで進んでおり、紹介する半分以上のプロジェクトはブロックチェーンテックの会社ではないので、周辺産業として実際に稼働しているプロジェクトになります。
 
 Yoursというブログサイトですが、ビットコインキャッシュで課金ができるプロジェクトです。これは課金後の記事が読めまして、費用の 90%が書き手に行き、10%がYoursという会社に行きます。
 これはブラウザウォレットでして、ブラウザの中のウォレットに対して自分がビットコインキャッシュをチャージして使います。一つの記事をポストするのに 10セントかかるので、無料では書けないことからスパム防止にもなります。
 コメントも入れられるのですが、コメントにも支払わなくてはいけないので、書く場合には自分でタイトル決めて無料の読める範囲を決め、課金後のコンテンツを自分で決定できますし、コメントを書くにも値段をつけることができます。それに派生して、マネーボタンという課金 API を使うサービスも提供していまして、課金ボタンを自分のブログサイトやパブリッシャー側に使っていただくという新しいサービスも提供されています。
 Deribitという会社ですが、こちらは1日に5,000BTC分ぐらいの取引があります。オプション取引やデリバティブ取引も拡大していくと思われ、この会社は日本円とのペアも検討されているようです。
 
 GAP600という取引所向けに0.01%の保険で顧客のBTCの入金をゼロコンファメーションで保証するサービスです。現在、取引所にビットコインを入金する場合は、大体2コンファメーションか3コンファメーションを待ってから取引が開始できるのですが、こちらの保険サービスを使うと 0.01%で顧客がすぐに取引を始めることができるということで、月間 20 万トランザクションぐらいはあります・・・

(全体はデータは準会員以上にのみ公開)


 


「51%アタック 今後の対応など」

Japan Digital Design株式会社 最高技術責任者 楠 正憲 氏

 ブロックチェーンとの繋がりではISO標準化の活動なのですが、先月、第3回の会議がロンドンでありまして、ここで仮想通貨交換業のセキュリティのことを Digital Asset Custodians という言い方をしていて、これを約一年かけて準備をするということが決議されまして、最初のドラフトを次回の10月22日からモスクワで開催するTC307で発表していく予定になります。
 ブロックチェーンの標準化は早いのではないかと言われているのですが、まずは始めなくてはならないということでTerminologyあたりから始めました。
 活発に活動しているのはSecurityとIdentityのグループが合併をしまして、その後、ISO全体でのセキュリティであるJTC1のSC2 と統合した委員会が、近々、本格的に立ち上がる状況にあります。
 Smart Contractの委員会はドイツを中心とした動きと、Governance Interoperabilityのようなことをしています。
 モスクワに出すレポートの元ネタは、2月からの研究会で仮想通貨の取り扱いにかかる留意事項をセキュリティの専門家と一部取引所の方も入って議論をしているという状況です。
 
 最近の仮想通貨を巡る事件ですが、2014年のMt.Gox事件が非常に大きいわけですが、それが2017年のコインチェック事件だけではなく、イタリアのBitGrailが倒産するというようなこともあり、Tetherトークンの漏えいの事件、NiceHashが二桁億クラスで流出、ビットコインゴールドの Re-Orgによる二重払い攻撃が2018年5月にあります。
 元々スマートコントラクトに対する攻撃は2016年のTheDAO事件がありましたが、仮想通貨の価値が上がり攻撃をするメリットが出てきていると思います。
 
 これまでにビットコインは大きく2回のバブルがあり、1回目が2013年のキプロス危機あたりから始まってシルクロードのシャットダウンでも非常に大きくなりましたが、そのときには大体1ビットコイン10万円という価格を各年の年初に超え、一時、200万円を超えるような高騰がありました。
 資金決済法の改正が何かを振り返ると、基本的には 2015年にFinancialActionTaskForceで口座開設や仮想通貨の交換に対して本人確認を求めるという勧告があり、これを受けて日本では資金決済法が改正され、その余波として決済手段として使うのであれば消費税の対象ではないと決まりました。
 
 2015年あたりからビットコインのスケーラビリティ問題が出てきたわけですが、一つはマイニングの場所は中国に集約をしています。
 この理由はいくつかありまして、一つは工業団地で非常に廉価な電力を入手できますし、産業集積として早くから独自の ASIC を設計して市場に導入するだけのエコシステムが出来上がっていました。
 
 中国の場合は日本やアメリカと違い外為規制がありますので、そうすると国外に人民元を持ち出すことができませんが、ビットコインの採掘に対して投資を行い、そこで得られたビットコインを自由に送金ができるということもあり、非常に投資が活発であったと理解をしています・・・

(全体はデータは準会員以上にのみ公開)