『Miss Bitcoinから見た暗号資産業界の変遷、世界の今』
『Virtual Assetに関するFATF勧告とその影響』

カリキュラム及び概要

 


『Miss Bitcoinから見た暗号資産業界の変遷、世界の今』

株式会社グラコネ CEO Miss Bitcoin 藤本 真衣氏

 

講演内容

 皆さんお疲れさまです。こんにちは。きょうはこの素晴らしい場にお招きいただきましてありがとうございます。2011年から初めてビットコインを受け取って、そこからボランティア的に仮想通貨、暗号資産の普及活動に取り組んできました。ミスビットコインという名前も、こんなきちっとした場で言われるといつもこう隠れたくなるというか、怪しい感じがしますが、私、今それこそマ ネーパートナーズの西村依希子さんだとか、いろいろ仲良くさせてもらってる方もいますが、その仲良くさせてもらってる方でさえも、最近何してるのか、あまりシェアできていませんでした。なので、この7年どういうことをやってきたか、あとは最近、私はロシア、イギリス、フランスに行ってきたんですけれども、その中で私がどういうこと感じてきたかとか、皆さんも情報、毎日このように大きく動く情報をキャッチアップされてるとは思うのですが、私から見た注目点をシェアさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 まず私が今どういう企業さまと一緒にお仕事してるかを、きょうがきっかけにまとめさせていただきました。ビットポイントさんは、約1年前からアドバイザー契約をさせていただきまして、今、一緒にいろいろとお仕事させていただいております。GMOインターネットさんは、同じく仮想通貨GMO コインさんもありますが、私はGMOインターネットさんの方でマイニング事業のお手伝いさせていただいております。GMO さんもマイニングチップの製造に関してはストップされたというアナウンスもあったと思うのですが、さすが熊谷さんという形で、マイニング事業については引き続き継続されています。

 あとは、最近話題のダップス(DApps)ゲームです。後ほど詳しくお話しますけれども、日本、このダップスゲームのマイクリプトヒーローズが、実はイーサ上のゲームランキングでナンバー1、ナンバー2となって、世界中の友達からも、私にマイクリプトヒーロー知っていると、よかったら紹介してほしいと連絡が来るぐらい注目のあるダップスゲームプロジェクトです。
 その他、オタクコインさんですとか LayerXさんです。LayerXは福島さんがされているところで、ブロックチェーン系のリサーチ、開発を行い、彼らも世界からも認知されつつある会社です。
 その他、ピックアップしていくと、アドバイザーで関わっている会社の他に、株式会社グラコネという個人で自由にやるような会社が1社あります。その他にMiss Bitcoin Bandは、今Facebookジャパンの顧問をされている馬渕さんという方がいらっしゃるんですが、彼がデジタルマーケティングのプロなので、私と馬渕さんで日本の仮想通貨業界もっとちゃんと一般層に広まるように、どういうふうにしていけばいいのかブランディング、PR やってる会社になります。


 その関連でいうと、例えばこのダッパー(Dapper)と言われるウォレットがあります。もしかした ら、これは管理、鍵の管理をこの企業側がする、今までの鍵の管理は自分でする形態のウォレットとは違うので、日本の規制からしたら規制対象になるかもしれません。今まで私は自分で鍵を管理すること自体がビットコインらしいし正しいと思っていましたが、数年前に500円分のビットコインを送って、今何千円とか何万円になっているウォレットが開けなかったりします。パスワード忘れたとか、復元フレースをなくしたとか、結局取り出せない人をいっぱい見てくる中で、まだ早いというか、ユーザー目線を考えたときに、自分で全部管理するのは難しいと思うこともあります。なので、こういったように、ある意味企業が鍵を管理して復元してくれるサービス付きのものが、まだ受け入れられやすいとのかと感じています。先ほど話した共通点というところで言うと、分散型と集権型のバランスを考えていくプロジェクトが、今後うまくいって答えを出していくのではないかと思いました。

 前後しましたが、これがDEXです。DEX でも種類がこれだけあって、どこまでオーガナイズしている人が管理するかによって、分散度合いが変わってきます。こういったところも試行錯誤しながらKYCですとか、オフチェーンオンチェーンをどこまでやるかでいろいろ変わってきますが、みなどんどん開発をしているので、どういったところが定着していくのかは今後、注目しなくてはいけない一つだと思っています。

 最後ですけれども、私がTwitterをやっており、例えば今回も台湾にカンファレンスに行くのですが、海外から受けた情報をすぐに発信しております。また、先ほど言いましたザ・ノーディストというメディアで、アジアに特化した情報を定期的に配信していますので、もしよろしければフォローしていただければ大変うれしく思います。もう一つ最後ですが、グラコネという会社名がグラビテーションとコネクトからきている造語ですけれども、人と人のご縁を繋ぐことを私は得意にお仕事させていただいております。なので、今、五つの会社のファウンダーで入らせてもらっていますが、それぞれパートナーがいて、すごくビジネスができる方を私は横に置きながら、私は世界のつながりとか、皆さまにとってプラスになることを、繋ぐ役割をさせていただいてます。なので、何かその海外のこの企業と繋がりたいですとか、何か相談があればご連絡していただければうれしく思います。以上になります。ありがとうございます。

(全体のデータは正会員・特別会員のみ公開)


『Virtual Assetに関するFATF勧告とその影響』

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 河合 健氏

 皆さん、こんにちは。アンダーソン・毛利・友常事務所の河合でございます。FATFリコメンデーション自体は、昨年の10月に発表されておりましたけれども、本日は 6月21日に解釈ノートが公開されています。それから、ガイダンスが発表になって、これで全て確定したということになりますので、その内容について発表させていただきたいと思います。結構、影響の大きい内容になると思いますので、これからの動き、非常に、国内的にも国際的に注目されるところです。
 今日のお話の内容ですけれども、大きく分けて、三つで考えています。第一部では、まず、FATF とは何ですかというのを、案外、皆さん、ご存じないのではないかと思いますので、FATFの役割とか、各国の規制との関係というところについてお話しをしたいと思います。第二部で、今回のVA、VirtualAsset ということで、仮想資産ということです。それからVASP、これは、virtual asset service provide ということで、仮想資産サービス業者ということになりますが、これらに関する、FATF 勧告は改定されていますので、その内容についてお話ししたいと思います。そして第三部で、このFATF 勧告の変更が、仮想通貨ビジネスにどういう影響を及ぼすかということについて、お話しできればと思います。

 まず、FATFの概要ですけれども、FATFというのは日本語では金融活動作業部会というふうに呼ばれます。マネロンとかテロ対資金供与対策の国際機関です。FATF勧告を策定をして、FATF加盟国の履行状況について、相五に審査を行うという国際団体であります。1989年に設立されていますが、どんどんとその対象範囲を拡大しています。マネロンリスク、テロのリスクは増えている中で、その活動範囲を拡大しているということになります。現在、36カ国と二つの地域団体、ECと、それからGCCですけれども、そちらで構成されています。それから、FATF下にFATF型地域体ということで、FRSBと呼ばれますけれども、地域の団体があって、そこにはFATF加盟国以外の国も参加しています。もちろん、FATF加盟国とFATF非加盟国の間では遵守状況は違いますけれども、FATF 型地域体に参加している所も含めると、世界190カ国以上の国、地域に影響が及ぶということでございます。

 FATF、一体何をしているんですかということですけれども、大きく分けて四つほどの内容があります。一つはマネー・ロンダリング対策、この後、AMLと言いますけれども、それから、テロ資金供与対策、Counter Financing of Terrorism、ということで、マネロン・テロ資金供与対策に関する国際基準をつくって、それを見直していくというのが一番大きなロールになっています。それから、そのFATFの参加国とか参加地域で、その勧告が遵守されているかどうかを相五に監視するという仕組みがもたらされています。これが数年に一度、来ますけれども、その国にとっては非常に大きなトピックになります。後で述べますが、今年、日本は対象ということになっているということです。三つ目のロールとしては、FATFに参加していない国に対しても FATF勧告の遵守を奨励しています。それから、サポートもしているというところです・・・

・・・
 おおむね、時間が終わりですが、あと、全体的な仮想通貨ビジネスへの影響というところを少し考えてみました。これは私見で、いろいろ意見があると思います。まず、三つ、大きな要素があって、各国に免許制、または登録制が導入されること、それから、KYC、CDDのしきい値が非常に低いこと、それから、先ほどの情報の伝達、ここの三つが大きく影響すると思っています。

 1点目、これまではどの国の規制も受けずに取引を行っている取引所、たくさんありました。だから、そもそも、どこに存在しているのかが分からない取引所がたくさんありました。この人たちも基本的に規制対応が必須になってきます。そうすると、今まで規制のアービトラージで、緩い規制の所に行って、お客さんをどんどん取っていくビジネスというのは、転機を迎えるだろうというふうに考えられます。もちろん、全くFATF、知らないよという国に行ってやるのかもしれませんが、やはり、そういうモデルというのは成り立ちにくくなってくるだろうというふうには思っています。日本にとってはイコールフッティングになっていくので、もしかすると悪くないかもしれないという気もします。ただ、全体的に投機的な資金の流れというのは減っていく可能性があるかというふうには思います。

 2点目、CDD のしきい値が低下します。先ほど言いましたように、継続的取引関係に入るのであれば、金額に関わりなく、一見であっても 1000ドルを超える場合には顧客確認が必要なので、今ですと、数BTCまではKYCを行わないです、メールアドレスだけでOKという取引所もあると思いますけれども、FATF勧告に従う限りは、それはもうできないモデルになってくるということになります。

 最後の情報伝達ですけれども、これも先ほど説明してしまいましたが、しっかりした免許制とか登録制のない国のVASPには、仮想通貨自体を送らない方向性になる可能性があります。そのためにP2P取引が今後、増加していく可能性多いです。もしくはそれがいいことかどうかは別として、もともと恐らく、マネロンする人はP2Pで送るような気もしなくもないというところですので、今回の規制を本当にマネロンに有効に機能させていくにはどうすればいいのかというのは、考えていかなければいけないことが多いかというふうには思っております。私からは以上になります。

(全体のデータは正会員・特別会員のみ公開)