『暗号資産技術はなぜ社会インフラとして重要か~web3.0とプロトコルとは、暗号資産の本質から見えてくるNFT、DeFiの価値とは何か~』
『パネルディスカッション』

カリキュラム及び概要

  • 日時:2021年8月30日(月) 17:00〜19:00
  • 場所:オンライン配信
  • 第一部(講演) 17:00〜18:20 : 『『暗号資産技術はなぜ社会インフラとして重要か~web3.0とプロトコルとは、暗号資産の本質から見えてくるNFT、DeFiの価値とは何か~
    第二部 18:20〜19:00 : 『パネルディスカッション』

     
    ■ 講演者
    第一部(講演)
    1.NFT/DeFi とは?(Web3.0 とプロトコルとは)
    2.DeFi はなぜ重要でイノベイティブなのか
      亀井 聡彦氏 : Fracton Ventures株式会社 Co-Founder
      赤澤 直樹氏 : Fracton Ventures株式会社 Co-Founder
    3.NFT で見えた所有権を持つことに由来する価値や社会
      鈴木 貴歩氏 : ParadeAll株式会社 エンターテック・コンサルタント

     
    第二部(パネルディスカッション)
    鈴木 雄大氏 : Fracton Ventures 株式会社 Co-Founder
    鈴木 貴歩氏 : (前掲)
    長瀬 威志氏 : アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業 パートナー
    施井 泰平氏 : スタートバーン株式会社 代表取締役/株式会社アートビート 代表取締役
    石川 駿氏 : Stake Technologies COO

 


『暗号資産技術はなぜ社会インフラとして重要か~web3.0とプロトコルとは、暗号資産の本質から見えてくるNFT、DeFiの価値とは何か~』

亀井 聡彦氏 : Fracton Ventures株式会社 Co-Founder
赤澤 直樹氏 : Fracton Ventures株式会社 Co-Founder
鈴木 貴歩氏 : ParadeAll株式会社 エンターテック・コンサルタント

(司会)
 それでは、8月度勉強会をスタートしたいと思います。本日の企画趣旨としましては、DeFi部会もNFT部会も活動している中、最近、協会外部から関連するお問い合わせを多くいただきます。NFT部会で公表したガイドラインに関するお問い合わせや、会員の皆さまからも、そもそも立ち戻ってDeFiとは何ができるんだろう、NFTとは何でしたっけという質問が寄せられます。
 そこで、まずはDeFiやNFTへの理解を深めるために、根本となる暗号資産技術がなぜ社会インフラとして重要かという点を掘り起こしながら、そこから見えてくるNFT、DeFiの価値、また本質のような部分をご登壇の皆さまと深掘りしたいと思っております。
それでは、早速、第1部をスタートしていきたいと思います。FractonVentures株式会社の亀井様、赤澤様、ご準備宜しいでしょうか。

(亀井)
 はい、よろしくお願いいたします。改めましてFracton Venturesの亀井と赤澤です。よろしくお願いいたします。
 早速、進めさせていただきます。まずは自己紹介をさせていただきます。
 Fracton Ventures株式会社の亀井と申します。よろしくお願いいたします。僕はもともと孫正義さんの弟の孫泰藏さんが、これまで日本のスタートアップエコシステムを結構作ってこられたのですが、そこのMistletoeという会社に僕も新卒ぐらいの頃から8年ほど参加しながら、日本のスタートアップエコシステムの立ち上げに少しながら貢献させていただきました。ですので、投資家やアクセラレーション、インキュベーションという立ち位置で日本のスタートアップエコシステムの発展に、投資家やイベントなど様々な角度から貢献しました。

(赤澤)
 はい、赤澤と申します。
 バックグラウンドはずっとエンジニアを経験してきています。もともとはデータ解析や機械学習といった分野から入ったのですけれども、そこからブロックチェーンの可能性を感じるようになりまして、今ではスマートコントラクトを使ったアプリケーションの開発などを行ってきました。前職ではブロックチェーン人材を育てるためのスクールがありまして、そこで講師を務め、教材全般の開発をして人材育成にも携わってきたというバックグラウンドを持っています。よろしくお願いします。

(亀井)
 加えて、後ほどパネリストで登壇させていただく鈴木との3名で現在会社を経営しています。
 会社としては、大きく分けると二つのテーマで、今回の題名にもある「Web3.0」と、われわれがずっと言い続けたいと思っています「DAO」という二つに対してコミットしています。「コンサルなんですか」とか、「開発会社なんですか」とお声をいただくのですが、今はエコシステムを作っていくために必要なものに対して、いろいろとコミュニケーションを取って取り組んでいるので、Web3.0コーディネーターといった立場で活動しております。

 先ほどのコミットの説明図はこういった形です。Web3.0やDAOが何かという話はこれからさせていただく部分にもあるのですが、その中でもスタートアップと共同プロジェクトという大きく分けて二つに、実践を通してインキュベーションという形で携わってます。これは何かといいますと、Web3.0という言葉は、少し聞いたことがある方もいらっしゃると思うのですが、まだまだ啓蒙活動のフェーズだと思っています。啓蒙活動と、かつ実践として自分たちもここに対してコミットしていくことを通して、世の中に問い掛けることを含めて活動しています。
 DAOは会社の次世代型のような組織で、ここに書いてある自律分散型組織とあるように、昔で言うとティール組織や、組織の新しいアップデートみたいな文脈で出てきている中で、われわれは次世代型の組織だと思っています。そのDAOに関しても自分たちで啓蒙活動を通しながら貢献しております。
 手短に紹介させていただきますと、インキュベーション事業ということで、Web3.0のエコシステム作っていくためには、まだまだ起業家も投資家もそこに対するメディアや業界、ステークホルダーの方たちの数は足りていません。また、そこに対するチャレンジ数も足りていません。そこに対する一つのわれわれなりのソリューションで、インキュベーション事業というものを先日立ち上げました。これは、今年の下半期9月から、より本格的に動いていく上で、今回応募をかけまして日本、海外含めて数十社から応募いただいています。僕らが思ったより日本人の起業家でWeb3.0に対してコミットする方が増えている印象を受けました。ですので、なおさらここをインキュベーションといった形で盛り上げていきたいと思っています。クリプト系の先端を走っている海外や日本人のいろいろな方がメンター含めて貢献してくださっています。
 これは僕自身も、前職のMistletoeで泰藏さんと一緒に取り組む中で、やはりエコシステム活動が全てのチャレンジの土台として必要という背景もありまして、ここに取り組んでいます。
 共同プロジェクトは大きく二つ取り組んでいます。今回、一緒に登壇していただいているParadeAllの鈴木さん含めて、きゃりーぱみゅぱみゅさんなどを輩出している、原宿のカワイイのカルチャーをつくっているようなマネジメント会社のアソビシステムさんとともに、メタバース空間における日本のコンテンツの輸出みたいな文脈で活動しております。

 右側のほうは、全然また話が変わりまして、Web3.0×スポーツという側面で、Web3.0的にAppleWatchでどういうことができるのか、新しいスポーツチームの在り方を考えているプロジェクトです。今回オリンピックなどでご活躍されている北島康介さんの率いるTokyoFrogKingsというチームと実証実験をさせていただいています。このTokyoFrogKingsが在籍してるISLというリーグも、ちょうど一昨日ぐらいからイタリアで始まっています。Webのストリーミングを通して視聴できます。ぜひ日本のチームなので応援いただけたらと思っております。br/> あと、僕らは海外向けにも頑張っています。先ほど3人のチームと申し上げたのですが、もう一人インド等にもチームはいまして、海外と日本のエコシステムのブリッジにも貢献しています・・・


・・・

(鈴木)
 エンタメ×オープンメタバースです。オープンメタバース=NFTを活用したメタバースということで、先ほど冒頭Fractonさんからもご紹介がありましたけれども、私どもが共同事業としてDecentralandというNFT化されたメタバース内に土地を買って、今後、バーチャル文化都市をつくって運営するプロジェクトを始めました。同じように、私どもよりも少し前に人気DJやEDMアーティストがDecentralandと双璧を成すぐらい人気のオープンメタバースの「TheSandbox」に土地を購入してフェスを開催していました。これを購入して運営してるのが、PIXELYNXというスタートアップで、ここにアーティストも株主として参画しています。たまたまこの前知り合いまして、今晩お話しをすることになっております。

 もし駆け足で分かりづらい点があった場合は、右上のTwitterアカウントをぜひフォローいただいてDMを送ってくださればいろいろとお受けしたいと思います。よろしくお願いします。

 まとめです。NFTを通じて所有することで変わってくるのが、今、はやりつつある言葉で「プロセスエコノミー」という言葉があります。K-POPや、NiziU、今有名なBTS、AKBもそうだったといえると思いますが、オークションや育成、成長を公開して、作品と同時にプロセスを重視して『推し活=消費』につなげる。こういったエンターテインメントが今は当たり前になってきています。でも、ここにNFTや、Web3.0が入ってくると所有権を持つことができる。プロセスエコノミーを楽しみながら、自分が出資してトークンを所有しているエコシステムであれば、経済活動にも関与でき、プロセスエコノミーのエコノミープロセスにも参加でき、新たなファンコミュニティーの活性化とアーティストの成功につながるということが、これから起こってくるのではないかと思っております。
 ですので、音楽/エンタメビジネスにとってのWeb3.0、コンテンツ表現と流通としてのNFT、資金調達、収益分配を滑らかにするDeFi、新たなファンコミュニティー、DAO、クリエイターが土地開発するオープンメタバースということで、まだまだこれ以外にも多くのバリエーションと可能性を秘めているのではないかと思っています。ぜひ皆さんにも音楽とエンタメビジネスとの組み合わせに、ぜひご注目いただければと思います。
 以上となります。ありがとうございました。

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『パネルディスカッション』

鈴木 雄大氏 : Fracton Ventures 株式会社 Co-Founder
鈴木 貴歩氏 : (前掲)
長瀬 威志氏 : アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業 パートナー
施井 泰平氏 : スタートバーン株式会社 代表取締役/株式会社アートビート 代表取締役
石川 駿氏 : Stake Technologies COO

(司会)
 それでは早速、第2部のパネルディスカッションに入りたいと思います。ご登壇の皆さま、ご準備をお願いいたします。引き続きParadeAllの鈴木様、そしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所の長瀬先生、スタートバーンの施井様、StakeTechnologiesの石川様に登壇いただきます。モデレーターはFracton Venturesの鈴木様です。鈴木様、よろしくお願いいたします。

(鈴木雄大)
 ありがとうございます。こちらからモデレーターを務めさせていただきます。FractonVenturesの鈴木と申します。きょうはパネリストの方も大勢いらっしゃるので、皆さんに一言ずつ自己紹介を一言ずついただきたいと思います。特に、DeFiやNFTと直接関わっておられる事業者や、実際にビジネスで関わっておられる方ばかりですので、最近のマーケットやNFT、DeFiについて思うことでも結構ですので、一言ずついただきたいと思います。鈴木さんは既に自己紹介されていらっしゃるので、長瀬先生、お願いできますでしょうか。

(長瀬)
 はい。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士の長瀬と申します。私は、ブロックチェーンや暗号資産周りのフィンテック領域を専門として行っていまして、今回のNFTの相談は17年の後半ごろからずっと継続しています。ただやはり最近ですと、私だけでなく事務所全体としてNFTに絡む相談が非常に増えており、今まではゲーム会社からの相談が多かったのですが、今はそれこそクリエイターサイドや音楽業界、あとは面白いところだと金融系のかたがたからも暗号資産に当たらないような形で、新しい金融商品としての法規制ではないで
 すけれど、何か似たようなサービスができないかといった相談を受けることが多くなっています。本日はよろしくお願いします。

(施井)
 ありがとうございます。スタートバーン株式会社の施井と申します。よろしくお願いいたします。僕は美術家で、今も現代美術家として活動しつつ、アートの世界のインフラをつくっていくというミッションをずっと前に立ち上げまして、その延長線上でブロックチェーンのテクノロジーに出会って、今も活動しています。特にデジタルアートがブロックチェーンと相性がいいというのはもちろん昔から分かっていたのですが、こんなに早くNFTのバブルみたいなものが来るとは思っておらず、去年の段階では「NFTという言葉を使うのはテクニカルだからやめましょう」とPRと話してたぐらいでした。一方で何をやってたかというと、ギャラリーやオークションハウスと、リアルなアート、リアルアセットをNFTとひも付けて真正性の担保をすることにずっと取り組んでいました。ですので、今年の頭にNFTのムーブメントができた瞬間に、基本的にリアルアセットにつなげてたものをデジタルアセットにつなげるだけなので、その対応はある程度すぐにできたのですけれど、今はアートに限らずいろいろな領域のNFTのミントをするインフラを提供するようなことも扱っております。
 最近では、集英社さんとのSHUEISHAMANGA-ARTHERITAGEという『ONEPIECE』などのマンガ作品のリアルな原画を高解像度出力してブロックチェーン証明書を付けて販売する事業をしたり、サザビーズのNFTのオークションで池田亮司さんのアートピースのミントを担当させていただきました。きょうは、よろしくお願いいたします。

(石川)
 Stake Technologies株式会社の石川と申します。経歴としては、この文脈でいうと2018年頃にdoublejump.tokyoという会社でNFTゲームのエンジニアとプロデューサーをしていました。そのときもやはり、NFTという言葉は使わないようにしよう、難し過ぎるという話がありました。私も同様にこんなにも早くNFTという言葉が広まって、『日経新聞』といった大手のメディアにも取り上げられて、ビジネスの会話の中心にいるというのが非常に不思議な感覚です。
 現在は、StakeTechnologiesという会社に勤めておりまして、パブリックブロックチェーンのAstarNetwork、ShidenNetworkというPolkadotの上のプラットフォームを開発しています。ですので、イーサリアムの開発はいろいろなコミュニティーで取り組んでおり、EthereumFoundationがあって、PolkadotをParityTechnologiesやWeb3Foundationが開発しているように、AstarNetwork、ShidenNetworkというパブリックブロックチェーンそのものの開発をリードしているような会社です。ですので、DeFiやNFTの具体的なプロジェクト、アプリケーションを作っているわけではないのですが、そうしたプロジェクトがわれわれの上で開発ができるように、プロトコルを作っています。本日は、よろしくお願いいたします。

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